「YUMECO RECORDS」的2012年の注目ニューカマーとして、
まず挙げておきたいのが3ピースバンドpaionia。
高橋勇成(ギター&ボーカル)
菅野岳大(ベース&ボーカル)
尾瀬松島(ドラム&コーラス)
こないだUKプロジェクトのSさんに「上野さんの(paioniaに対する)盛り上がりは
一体何のタイミングだったんですか!?」って言われたんだけど(笑)。
・・・実は私、昨年の9月に突発性難聴というやっかいな、
音楽ライターとしてはもうへこむしかない病気になりまして。
これに関してはまた後日、(気が向けば)詳しく書きたいなと思っているのですが、左耳が聴こえなくなりました。
入院したりもしていたので、音楽を聴けない、聴く気分にもなれない時期が続いていて、
新譜をいただいてもなかなかチェックできないでいました。
そんなある日、たまたまデスクの上にあったpaioniaの白盤に目が止まり、聴いてみたんです。
すぐに衝撃が走り、たちまち以下のツイート。
興奮してますね、言葉選んでないです(笑)。
なんて言うか、例えて言うならばバックホーンのライヴを最初に見た時の衝撃と
シロップ16gを最初に聴いた時のような衝撃が一気に来ました。
それでいてグレイプバインの中で一番聴き続けている曲のような、
そんな安定感と彼らにしか出せない切なさ、声の魅力もありました。
特に「素直」という楽曲にドキドキしました。
3ピースのギターロックバンドですのでサウンドはシンプルですが、
そのぶんのダイナミズムはじわじわと迫ってきます。
実に丁寧なメロディ展開で迎えたサビには〈素直な歌を歌いたい〉と歌われていました。
更に〈酒気帯びでしか語り合えない こんな虚しい自分って何ですか〉と
全力で歌いあげる様が最高だなと思いました。
(ちなみに歌詞は聴いたままですので正式表記じゃないです、あしからず)
もう聴きながら完全に興奮してしまい、何だか妙な確信を抱いてしまった私は、
メーカーの方もびっくりの、まさに私だけのタイミングで瞬間沸騰(すみません!)。
しかも、上のツイートしてから30分後くらいにはツイッター上で
メンバー直々にお礼のリプライが届いてしまいました。繋がるなあ(笑)。
ちなみに尾瀬松島という名前が面白いなってつぶやいたら、
「特に深い意味は無いのですが、なんか僕そんな事でしか面白い事出来ないのです。。
いえ、名前もたいして面白くも何とも無いのですが。。。」なんて、ご本人からの素敵コメントが!!!
確かに変だなと思ったけど、本名じゃないんかい(笑)!
なんかそういうところもいいですよ、このバンドが持つ人柄というかね。
発売は3月7日とまだ先ですが、ミニアルバム『さようならパイオニア』も、期待以上の出来!
そして昨年末にはライヴもバッチリ確認。
私が観た日は「東京」という新曲も披露してくれていました。
福島出身の彼らが昨年の東日本大震災をきっかけに作った「東京」。
色んなバンドに「東京」というタイトルの名曲があるけれど、paioniaの「東京」もまた特別で。
本当は何も無いと思っていたはずの、でも大好きな故郷。
そこに想いを馳せ、やるせなさと怒りと虚しさを抱きながら、
今自分たちが立っている場所(=東京)や自分自身から目を背けずに歌っているのがすごくいいなと思いました。
ひとつの想いを抱えた人と人とが集まって鳴らすからこそ感じられること、伝わるものがある。
ロックバンドの魅力ってそこですよね。
どんな時代になっても、何が流行っていようと、それは変わらない、
だからこそ私はpaioniaを応援したいと思った。
ルックスとか音楽性とか、地味ですか?
地味かもしれないけどいいものはいいって、言いたいな。
彼らが〈素直な歌を歌いたい〉って、もがきながら叫んでる限り、私も素直に感じたことを言葉にしたい。
ステージで歌ってる時の高橋くん見て、この人はこの先20年後も歌ってそうだなって思った。そんな顔してた。
どうでもいいことだけどね、私も、片方の耳で聴こえる限りは思い切りやろうと思ったですよ。
オフィシャルサイトはこちら。ライヴもお早めにチェックしてみてはいかがですか?
「何もできない」と「素直」が各100円で買えます。
http://www.majix.jp/artist_detail/65