11月は自分が生まれた月です。
もちろん、生まれた瞬間の事など覚えているわけでもなく、いつから自分の人生の記憶が始まったのかも定かではありません。
生まれた瞬間を覚えている人など果たしているのでしょうか?
加えて、どうやら自分は周りの人よりも昔の記憶があまり残っていないみたいで、昔の頃の思い出ってそんなにありません。
ただ、断片的に覚えている昔の記憶は少なからずあって、それらをふと思い起こした時、割と鮮明に覚えている出来事は、結構ネガティブな出来事が多いです。
運動神経が無くて体育の時間に嫌な思いをした事とか、休み時間中に話し相手がいなくてぐるぐると校庭を歩いてた事とか、怪我をした事とか漏らした事とか、誰かに言われた嫌な一言とか、ヤンキーの女子中学生にからかわれた事とか、デパートの屋上でかつあげされそうになった事とか、好きだった子が優等生の奴と両想いだった事とか。
そんな昔の出来事が今日のネガティブな自分を形成したのか、それともそんな記憶の断片から、コンプレックだらけで勝ち知らずの自分と言う人間のイメージを勝手に作りあげてるだけなのか、もはや自分にはわかりません。
でも、そんなネガティブなものが、今の自分がポジティブに生きようとする為の糧になってたり、諦めずにバンドを続けている理由になってるのも事実です。
この矛盾が自分の今の活動の核のような気がしています。
だから、結果的にはそれで良かったのかなと思う時もあります。
その反面、ちゃんと何かを形にしないと、まだまだ過去を肯定する事が出来ないなと思ってもいます。
冬に近づき寒くなると、頭が冷えて冴えるのでしょうか。
そんな無駄な事をついつい考えてしまうのです。
藤本浩史●1980年11月15日生まれ。神戸出身。ロックバンド、the coopeezのボーカル。作詞、作曲の他、バンドに関わるアートワークを全て手掛ける。自称、スーパーコンプレックス持ちのスイッチON/OFF型。もしくは、肉食系の中途半端ボーイ。
http://coopeez.net/
@coopeezfujimoto