連載◆藤本浩史（the coopeez）「ユメ子の冒険記 feat.ゲンちゃん」第9回「栗拾い」

 
最近、自分はよくわからない生き物になりたいと思っています。
 
別に変わった事をしたり、変わった人間になりたいという意味ではありません。
他の誰にもなることが出来ない、どこにもない存在になりたいと思うようになりました。
良いとか悪いとかじゃない、誰でもない自分らしくあるという事をこれからは求めていく必要を感じています。
 
僕のいう自分らしくあるという事は、出来るだけ自分の感性で物事を判断するということでもあります。
それってとても恐いことであり、不安なことでもあります。
でもそれってとても重要なことだと思っています。
もし皆がそういう状態になれたとしたら、世界はこうまで偏らないかもしれません。
もっと万遍なく、色んなものが評価されるような気もしてます。
 
ひょっとしたら、今まで良いとされていたものが、評価されなくなるかもしれません。
今まで評価されていなかったものが、良いとされるかもしれません。
はたまた、今まで良いとされていたものが、変わらず評価され続けるかもしれません。
少なくとも、世界のバランスは大きく変わる気がします。
やっぱり良いと思ったものが、胸張って良いと言えることが本来あるべき姿だと思います。
 
物作りをしている人間の端くれとして、物を作り続けたいと思う人間として、自分の作りたい物を作っていかないと、結局誰の為にもならないんじゃないかと思う様になって来ました。
 
他人の批判には目もくれず、ひたすら自分のイメージを求め続けているそんな人にこそ、人は惹かれるものだと思っています。
そして、結局自分はやはりそういう人に憧れているみたいです。
だけど、憧れて真似しても絶対にその人にはなれないのは、さすがにわかってきました。
だから、自分が憧れる様な人が羨ましがるような人間を目指したいです。
出来るか出来ないかではなく、そうあろうとする事が大事だと思っています。
そしたら初めてそんな人とも対等でいられる気がします。
 
人の意見と聞き入れているのか、ただ人の言葉に振り回されているだけなか。
まだまだ自分のことがわからない、僕の自分らしさを探す旅は今も途中です。