新連載◆栗原ゆう「さよならシークレットブーツ」」第1回「ピンヒールの鎧」

 
YUMECO RECORDS連載させていただき3年目に突入！
新連載の始まりです。
ありがたいことです…！
連載のおかげで、苦手な日本語を少し克服できたかななんて思っています（笑）。
 
新連載では、今の自分が構成された人やものを遡っていきたいなと思います。
自分のことなんて話してもつまらんだろう…と割と受け身なタイプで日々過ごしているのですがここではちょいと自分の事を話してみたりしようかなあって。
 
新連載タイトルは、「さよならシークレットブーツ」。
物心ついた頃から、外出時にはヒールをはいてた。
どんなに、雨が降ってても風が強くてもノーヒールで外出るなんてムートンブーツの時くらいだった。
なんていうか、常にピシって鎧をかぶっていて、背伸びしていた。
じゃないと自信が持てなかった。
 
上京してきた頃六本木のギラついたお店でDJさんが流してた曲に、あっめっちゃ良い曲…声も可愛いし誰だろう…？ とDJさんに後から聞いてみるとSAWAの「Swimming Dancing」という曲だった。
 
それから、高円寺のGEOでふらついている時にみつけたアルバム『Welcome to Sa-World』！
あっこの間DJさんに聞いた、あのSAWAって人だ…！
 
そこから大好きになって、元気がない時はこの曲を聴いていた。

 
可愛いし、良い曲だし、とにかく声が大好きになった！
SAWAさんみたいになりたい!!! って
持続はしないけど、瞬間的に何かに誰かになりたい選手権があったらわたし優勝できている自信ある。
もう人生数百回目だ（笑）!!!!!!
行動派のわたしなので気になったら現場に向かう…！ 初めて観たのは、agehaのBOXステージでのLIVE！ 観に行ったりしているうちに、ああいつか一緒にライブしてみたいな～って思ってたら数年して大阪で初めてご一緒できた！
嬉しくて嬉しくて全然話せなかった。
ただのファン！ という一人としてあたふたしていたきっと（笑）。
今思えばほんと不思議（笑）。
 
と、ふと気がつけば今すごく近くにいる仲になっていて、あの頃の気持ちをすっかり忘れていた。
大きなジャンルにわけたら今、同じようなスタイルの活動をしていてたまに比べられたり、同じ土俵に入れてもらえてたりしてるけど、やっぱりSAWAという人はすごい。
ボーカリストとしても作家としてもエンターテイナーとしても、クリエーターとしても。
その枠にちょろっと入れてくれてて、なんだかほんと不思議だし、これだけずば抜けていたら嫉妬心なんて逆に芽生えない。
 
1月13日、リリースされたアルバム『踊れバルコニー』。

 
今回は縄田さんプロデュースって時点で最高！ なのはもうすでにわかりまくりなのですが、きっと聴くともっと良いんだろうな～というわくわくとドキドキとでリリース翌日に購入したのに聴くのに約一ヶ月かかった（笑）！
 
変なこだわりかもしれないけど、大事なCDを一回目初めて聴く時はなんかこうコンディション万全の時に聴きたくて。
何かしながらではなく、電話もかかってくることない時間に一枚丸々中断せずに聴きたい。
初めに聴いたその瞬間に感じる感覚を、独り占めしたい。初めてを少したりと薄めたくない…。
わたしの密かな小さな楽しみ。
 
アルバム（CD）を聴いて自分はどんな気持ちになるかがいつもすごく楽しみで。
 
何かにあの子に誰かになりたい欲が強いっぽい。
なので女性で好き！ なものはあんまり深くまでは聴かなかったりするんだけど。
学生の頃は、同じ服着たり好きなものが一緒の子と居るのが楽しかったり仲良くなったりするけど、大人になってからは同じようなことをしている人はきっと思考も似ているから、つまらなくて。
それより全然自分と思考も趣味も合わない人と仲良くなりたい欲が強くなった。
知らないものを知って共有できる方がうんと楽しい!!
 
それって、きっと音楽を人間をやめない限りずっと続くのかもしれない。（男性ミュージシャンは嫉妬心とか余計なもの一切なく深くまで聴けるそれも不思議）
 
ずっと自分の中に自信がない自分が胡座をかいている。
どっしり。
ヒールを履かなくなったら終わりや…！ と昔言っていたけど
今は、めっきりローヒール、スニーカー派。
少しずつ、鎧がとれてきている。
この連載が終わる頃、シークレットブーツにさよなら出来ていたらいいな。