柏といえばストリート。
全国でも数少ない、市がストリートミュージシャンに対して認定許可書を発行しているような街が
この千葉県柏市の音楽における特色でもあります。

ぼくらがまだ高校生の頃は柏のストリートシーン黄金期でした。
サムシングエルスをブームの筆頭に、
ナオトインティライミさん・HY・FLOW・サスケなどなど、、、
あげればキリがないほど当時の柏ストリートは豪華メンバーでひしめき合っていました。

そんな中で、ぼくが出逢った柏ストリート出身のひとりのミュージシャン。
現在はぼくのバンド・ホタルライトヒルズバンドにおけるツインボーカルのパートナー
村上友香もそのひとりです。

ぼくたちがストリートから学んだこと、これから考えるべきことはたくさんあります。

この街の音楽と現状と未来について。
ストリート文化という観点から今回の記事を綴って行きたいと思います。
 
 

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バンドの相方・友香とぼくは同じストリート時代を見てきたもの同士でした。

高校時代、学校が終わってから放課後、

柏駅前の広場に行くと必ずといっていいほど誰かが演奏をしていました。

柏ストリート黄金期を知るもの同士として語ることを外せないひとつのバンドがあります。
当時流行の真ん中にあった番組「ストリートファイターズ(略してストファイ)」
でもよく紹介されていた柏出身のスリーピースバンド・Blossomの存在です。

Blossomからの刺激は今のぼくたちの音楽活動において欠かせないものです。
ソングライティングにおいて友香もぼくも相当に影響を受けていて、

お互いに「Blossom節」として共通項がたくさんあります。

彼らの曲に『路上の花』という屈指の名曲があります。

 

泣いたり
笑ったり
形を変えて夢は続いている

あの頃の直向きさを忘れないように

路上の花になりたくて
今もまだ遠い空に唄うんです

 

 

http://youtu.be/PRdbqv5plzw
 
 

唄を届けたいという気持ちに対してのゆるぎない勇気と決意。
目の前を通り過ぎていく不特定多数の人に対して、その中にたった一人をいつも探すような気持ちで唄う。

懐かしさと空虚感と喧騒と静寂の同居。

“毎日のように、街のどこかで音楽が鳴っていた”

時代の空気というか、少し大げさに表現するとそんなようなものは確かに存在していて、
ここから憧れた世界が今でもぼくたちの唄に対する目指すべき場所と正しさになっているような。

路上ライブはまるで闘いのようでした。
ピーク時は半径数メートルの間にバンドやアコースティックのミュージシャンがひしめき合い、
その目の前~目の前に立たないとまず何を演奏しているか聴こえないほど音が濫立していて。
それでもそこに情熱と確かなる野望がそれぞれにあった。
ストリートがリアルにチャンスだった。

みな、通りすがる人たちに何か伝えようとする必死さとユーモアとアイデアが
確かにあそこにはエネルギーとしてあったような気がしています。

そんな夢のはじまりが、また同じようにそれを見ていたぼくたちにとってもスタートになっていた。

音楽で何かを目指してみたい。

漠然とした希望を抱いて、ぼくと友香は、ストリートからそれぞれの進む道をいきました。
ぼくはエレキギターを持ち、ライブハウスでのバンド活動へ。
友香はアコースティックギターを持ち、そのままストリートミュージシャンへ。
 
 

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ここ最近、柏のストリート人口は減少しつつあります。
そして正直、黄金期から比べるとレベルもすごく落ちました。
当時のようにストリートがそのまま活動のチャンスにつながるという雰囲気はもうありません。
その代わり、楽しく趣味で唄う若い子達は増えているし新しいジャンルとしてタップダンスやヒップホップダンス、ラップをやる子達の姿もちらほら

見かけるようになりました。

ぼくは少し寂しい気持ちもあるけれど、前向きなエネルギーも感じています。

そもそも街の路上演奏が許可制になり、
電気類がいっさい使えなくなってからは本当の意味での「生演奏」だけが受け入れられる唯一の形態になりました。
http://www.86kashiwa.net/?p=20973

これはストリートというひとつの精神性としての音楽ジャンルにおいては、とても素晴らしいことで
音楽のあるべき姿というか、
この裸で向き合う概念がそもそも原始的な歓びに一番近い、
こんな時代に最も必要な音楽における感動の原点ではないかと。

何もフォークギターとハーモニカを携えて自作曲を歌うだけが
「ストリートミュージシャン」のスタンダードではない。
幅広い観点から表現する場としてのストリートを考えるチャンス。

今年の秋にぼくたちが主催する柏市初のサーキットフェス”MUSIC SUN”では、
今一度柏の路上シーンを見直し、活気を取り戻していけるような方向性を考え実行していきます。

あたらしいストリートの可能性。

MUSIC SUNのミーティングで市役所の方がこんなことをおっしゃっていて
すごくハッとさせられた場面がありました。

「駅前広場ももちろん道路ですから」

ぼくらが当たり前のようにたむろして、座り込み、集まる場所だと思い込んでいたこの広場は
道路であるという、当たり前すぎるけど実はすごく大切なその概念。

ここはもともとステージじゃない。
じゃあ道路をステージに変えてしまうようなもっと面白くて興味深いエンタテインメントって?

今MUSIC SUNではひとつのアイデアとして「柏街ごと音楽フラッシュモブ計画」が進行中です。
これこそ新時代ストリートのあるべき姿!?
 
 

(この映像はあまりに有名ですが一番好きなフラッシュモブ動画です)
 
 
 

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街の景色も少しずつ変わり、開発が進み、あの頃の匂いとはちょっとだけ変わってしまったところもあるけれど
想い出はいつも色褪せないし、[今]は歩みを止めることなく動き続けています。

数年の時を経てライブハウスで再会した友香とは、「路上で唄おう」という一言でまた新しい関係がスタートし
今こうしてバンド活動を本格的に共にする大切なパートナーになりました。

友香がまだ路上を続けていたことがぼくにとって大きな救いだったし、
ぼくも一度バンドを失ってから新しくなるまでの潜在期間をこのストリートで、
まるで純粋を取り戻すような感覚で空気を吸いながら
音楽に対するあの頃のまっすぐな気持ちを取り戻していけました。

体操座りで夜空を見上げながらビール片手にポロンと爪弾く旋律に大いなる未来を感じる日も、
大声を張り上げて唄う誰かの唄の向こう側に、いつかの自分自身を重ね合わせてしまう日も、

常にストリートはリアルで、ストリートは夢であり自由です。

ぼくらがこの場所から音楽を感じ、希望を抱いたように
また新しい概念からストリートに風を吹き込み、
新世代へとこの文化を繋いで行くことが出来たら。

とても大切な転換期に差し掛かっている、そんな想いです。

今でもぼくたちはフラッと夜になると路上で唄っていたりするので、
柏に立ち寄った際はJR柏駅東口ダブルデッキ広場を、チェックしてみてくださいね!

特に友香の声はよく通りますからすぐに分かるんじゃないかな(笑)
 
 

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お陰さまで無事にホタルライトヒルズバンドのニューアルバム

「ホタルライトヒルズバンド3」を発売することが出来ました!
リードトラック『ビューティフル』のミュージックビデオが出来上がりましたので

是非ともYUMECO読者の皆様に観ていただきたいなと思います。
 

 
 

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次回は、(今月書こうと思っていて書けなかった!)
絶賛進行中の柏初サーキットフェス、「ミュージックサン」途中経過やコンセプトについて改めて書いていこうと思います。
第一弾発表も間もなくです。

 
 

どうも、柏の逢いにいけるボーカリストこと藤田でした!
いつも読んでくださる皆さん、本当にありがとうございます。
夏が近づいてきて、季節の変わり目、どうかご自愛ください。
 
 
 

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藤田竜史●フジタ・リュウジ
ホタルライトヒルズバンドのボーカル。
大阪出身柏育ちの1985boy。水瓶座O型。
Cafe Line Records/柏Music Sun実行委員/ビートルズ/黄色/スタジオジブリ/蕎麦/秩父鉄道/wilco/カバヤ/ゆず/宮沢賢治/