突然ですが、先日のとある仏滅に結婚式を挙げました。

会場での挨拶でも伝えたのですが、あの場に居た誰よりも、私が一番、結婚式を挙げたことにびっくりしていました。
 
 
FullSizeR-2

かば好きの私と、日本刀が好きなオット氏の希望がかなったウエディングケーキ。かばに扮した花嫁の私に、刀を持った侍に扮したオット氏が乗っております。かならずしも夫婦関係の縮図ではありません(笑)。

 
 

当日はメイクなどを終えてリハーサルに呼ばれてチャペルに行ってから一瞬の休みもなく披露宴が終了。高砂席に座っているときにウーロン茶の1杯すら飲み切れなかったことには、信じられない気持ちと合わせて悔しさがすごいです。食い意地には自信がある私ですが、ご飯も全然食べられなかった。諸先輩方から「(ご飯は)全然食べられないよ」と言われていたので、そんな歴史を塗り替えるつもりで挑んだのですが、全然、まったく、足元にも及ばなかった。申し訳程度に、鴨肉と牛肉とお野菜ちょこっとだけ食べた程度で惨敗…。


「食べられない」の理由には諸説あって、矯正下着による圧迫感や衣装の作りで可動域が制限されるのもその一つ。でも、今回の敗因は、はっきり言って行程にまったく余裕がなかったことが大きいのと、声を大にして言いたいのは、会場側が、もう花嫁・花婿に食べさせる気がまったくないとしか思えない配膳の仕方だったこと。身動きが取りづらい、お祝いしてくれる方が次々集まってくれるからなかなか食べるタイミングがない、そんな状況の人たちに、お皿の余白で魅せる盛り付けは必要ですか、と問いたい。


なんとかお色直しをやり遂げてさあ今から食べるぞ、と席に戻ってみると、そこには大きな皿がひしめき合っていて、私、白無垢、手、まったく伸ばせない(衣装の可動域問題)。そんな新郎新婦の食事はピンチョスみたいにするとかさ、極端な話ワンプレートにまとめたって良いくらいだと思ったんですよね。そういうのって、少しの気遣いっていうか…すこしの想像力っていうか…


嗚呼、利用した式場に対しての改善案が他にも思い浮かびすぎて、オット氏と「今なら式場のコンサルで儲かれる気しかしねえ」と豪語しておる我が家です。1日、というか数時間でうまい棒30万本(税別)以上のお金が消え去る信じられない高額なお買い物なのに、車、新車で買ってお釣りがくる高額なお買い物なのに、麻痺してるのではないかと…。


おっと、愚痴が増えてきたし、いまは新しい時代に合ったカタチがたくさんあるし、そもそもそんな会場ばかりじゃないだろうしなので、いったん、深呼吸をします。ふう。


結婚にも結婚式にも興味が皆無だった私ですが、会場の誰よりもその開催にびっくりだったくせに、多分一番楽しんでいました。挙式はチャペルだったこともあり、スタートくらいは厳粛な気持ちになるかなと思っていたのですが、バージンロードを共に歩く実父ともに、ニヤニヤして友達に目くばせするほどの余裕…たおやか、とか、おしとやか、というものは母の腹に置いて来たらしい。


先に入場したオット氏の姿は見られなかったけど、聞くところによると愉快な仲間たちに半ばヤジのようなエールを送られ、そうか、最初から会場も厳粛な雰囲気なんか、いっこもなかったんだなと(笑)。ただ、夫のご両親は、入場から号泣されていたのだそうで、感慨深かったです。私の母は挙式スタート前のすでに激流に飲み込まれているような中でリハーサルかと思ってたらいきなり始まったベールダウンの儀式でホロリときていたようですが、父は前述の通り、超余裕。祖父は「佐和子、やればできるやん」と、ちゃんとした感じの式の様子にただただ感心していたそうです。


お互いいい歳(と自分たちでは思っている)なので、結婚式と披露宴こそやれど、会社の方々などは呼ばず、親族と昔からの友達に参列していただいて、派手な余興などもないささやかなカタチにしました。蓋をあけてみたら、大好きな人たちしかそこにいないので、そもそも超幸せな空間で、そんな風にたくさんの方に手放しで祝っていただくようなことって生まれた時くらいしかなかった人生だから、今までの人生をフルスイングで肯定してもらったような、あーもう、うれしい! たのしい! 大好き!(©️ドリカム)しかない時間でした。


幸せすぎて、ずっとニタニタしていた私。特別なプログラムや、感動のスピーチも用意せず、いつも通りの、それこそYUMECOで書いているような口調のメッセージを読み上げたくらいだったのに、参列している方が「たくさん泣いた」と言ってくれたり、「今までにないくらい笑いが絶えない式だった」と言ってくれたり、びっくりするような感想をいただいて、なんだかとってもいい日でした。今後私は、「結婚式をするか迷っている」と相談された日には、「規模や形はどうであれ、やったほうがいい。私はやってよかったよ」と言い続けることでしょう。


余談ですが、人生でダイエットが成功したことがない私、今回も例外なく途中で断念しまして、いつも通りのたくましい二の腕を披露して、当日の余裕綽々なニタニタ顔と相まってみんなから「肝っ玉母ちゃん感がすごい」と言われたのでした。

 
 
 
おまけ
 
ー 披露宴BGM セットリスト ー

入場:安室奈美恵「Just You and I」
プロフィールムービー:ケツメイシ「カラーバリエーション」
乾杯:東京スカパラダイスオーケストラ「All Good Ska Is One」
ケーキ入刀:DREAMS COME TRUE「うれしい! たのしい! 大好き!」
新婦中座 with 兄と祖父:ウルフルズ「かわいいひと」
新郎中座 with 姉と妹:Do As Infinity「Weeds」
お色直し再入場:Dragon Ash「Grateful Days」
新婦の手紙:明日、照らす「君の不安は僕の憂鬱」
両親へ花束と記念品の贈呈:カーペンターズ「Top of the world」
退場:ケツメイシ「夢中」
エンドロールムービー:BENI「永遠」


邦楽攻めな内容です。個人的ハイライトは再入場のDragon Ash。本当はプロフィールムービーで使用したかったのですが、著作権諸々の兼ね合いで使用できるリストみたいなのになく使えず。イントロから歌が始まるまでの流れがすんごい好きで諦めきれず、なんならオット側も私側もみんなほぼ同世代だからこの良さも面白さも全部伝わるはずと思ったのです。イントロで「え、なぜこの曲(笑)?」と笑わせて、「この曲でいったい何着てくるつもりなんや」と混乱させたところで、扉が開いたらそこにはゴリゴリの正統派な和装(白無垢・角隠し&袴)な二人がいるという状況を妄想。期待通りみんなに爆笑してもらえて、これまた白無垢なのにニタニタが止まらない、ダメな花嫁でございました。ちゃんちゃん。

 
 
IMG_4707
今世で「THE 結婚式」を挙げるなんて思いもしなかった。

 
 
 
 
 


 
sawaいとうさわこ●イーストトーキョー・蔵前で働くOLです。けっこんとはなんぞや? なスパイラルに入るつつある昨今、いいことも悪いことも葛藤も、書き残していこうと思う。後世のためとかじゃなくてあくまで自分の整理で。こんまりさんに脳内を片付けてもらいたい。というモヤモヤにぶち当たっても、先人たちの教えにある通り、「結婚式やっといてよかった」って帰れる原点になったはずなのです。