はい、そんな訳で始りました~GAL Radio第4回。
いつもお読み頂き誠にありがとうございます。初めての方もゆっくりしていって下さい。
GAL Radioだけに渋谷のGALの方にも届くようなヤングな話題を。
ということでね、皆さん夏バテしていませんか?
納豆、オクラ、山芋、なめこなどネバネバ系を食べて乗り切りましょう。
ってアドバイスが「午後は〇〇おもいっきりテレビ」か!(番組のチョイスが古い)
今回も出だしから滑ってますね〜。ツルッツル! 餃子の王将の床みたいですわ!!
シロクマさんも驚愕の「滑る」という名の寒さで、激烈トップ級に暑かった日本の夏にようやく終わりが訪れ、最高の季節、秋がやってきますね。
過ごしやすい気候、溢れる美味しいもの、大自然も紅葉でお洒落し、冬に向け徐々に寒くなっていくあの感じ、そして切ない曲がたまらなく似合う季節です。
そんな秋の入り口でお届けするのは「バンド」の素晴らしさについてです。
僕はバンドが奏でる音が大好物です。
普段バンドを聞かない方にもどうしたら愛が伝わるか考えました。
そこで、大好きなバンド・赤い公園さんについてお話しながらバンドとは何か、一緒に考えていきたいと思います。「バンドって、なんかええやん…」と感じて頂けたら。
心を込めてお届け致します! 最後までお付き合い下さいませ。
■おススメしたい! のコーナー濃密版/赤い公園
赤い公園とは
まずは今日の一曲目、この曲をお聴きください。
赤い公園「カメレオン」/4th Full Album『熱唱サマー』(2017年8月23日)収録
赤い公園さんは2010年1月に立川で結成された4人組。
緻密かつエモーショナルな作品を高い演奏力でしなやかに楽しそうにやってのける物凄いバンドです。
ソングライターでギタリストの津野米咲さんが描くキャッチーなメロディと歌詞が特徴で
SMAPさんの「Joy!!」を作曲されたことでも有名です。
類い稀なるアイディアと変態性を混ぜた(褒め言葉です)アレンジは、リスナーのみならずミュージシャンからの支持も多く、おぞましさすらPOPに仕上げるバランス感覚はまさにプロ。とても尊敬するミュージシャンのおひとりです。
津野さんのズバ抜けた創作センスの凄さが分かる曲をご紹介します。
アルバム「熱唱サマー」収録「プラチナ」(前回真夏のプレイリストでもオススメしました)に「たまに触れるのは熱い手と宇宙で一番冷たいプラチナ」という歌詞があります。何故宇宙で一番冷たいのか。
プラチナは結婚指輪などに用いられる材料。思いを寄せる相手は指輪をはめている。
つまり既婚者と捉らえることが出来ます。
相手への好意を届けてはいけない、指輪から冷酷なまでの現実を感じる訳です。
そんな叶えられない思いと共にこの曲ではしりとりが始まります。
終電に乗りたくないと言えずにしりとりを終わらせたくないって鬼可愛いですわ!
何気ないワードでやりとりが進みますが、しりとりの最後のワードが「ブラッドタイプ」「タイムアップ」そう、語尾が「プラチナ」に繋がる訳ですね〜!
津野さん、楽しませる仕掛けがKOIKIすぎますわ!いわゆるブワブワ曲※です。
【※ブワブワ曲(造語):心が一気に高鳴る曲。何度か聴くうちに曲の意味や演奏に何かを発見した状態を指す。記憶が一気に蘇ったり心に風が吹く時の擬音ブワーッになぞらえて。】
ここで津野 米咲さんのインタビューを。
後ろで弾いているフレーズの和音がどれを取っても素敵です。
Fender Music Japanインタビュー
「journey」
ちょうど一年前に~♪(by THE 虎舞竜)2017年8月27日(日)Zepp Diver City TOKYOにて一夜限り開催された彼女達のライブ「熱唱祭り」に参戦した時のことです。
ボーカル佐藤千明さんがこの公演を最後にバンドを脱退することが決まっていましたが、
会場内はお客さんもメンバーもとにかく「音にまみれる瞬間」だけを感じようという特別な、それでいて決して後ろ向きではない空気感が漂っていました。
きっとボーカル佐藤さんの持ち前の明るさがそうさせたであろう最the高なパフォーマンス、「熱唱サマー」全曲披露、MCなしでぶっ通し18曲演奏、集大成なセットリストなどバンドの歴史を刻むライブとなった公演。
その個人的ハイライトとなったのがこの曲、「journey」です。
赤い公園「journey」/9th Single(2017年6月21日発売)
ブン殴られたような感覚になる素晴らしい歌詞。
「賢くなるなよ 間違いのない答えはない」
「勝手にやめるな青春のjourney」
「死ぬまでヤングでいようぜbrother」
「間違いだらけのお前のまま答えになれ」
ソロ名義の歌は、それが良い悪いではなく、歌い手個人というフィルターを通してのメッセージとして捉えられたりします。バンドはボーカルが複数人の代表として歌う為バンドの声になり、メッセージの自由度が高く伝わり方として良く作用することもあります。まさにそんな曲です。
バンドを感じた瞬間
この曲で最も印象に残ったのがアウトロです。
歌の最後のフレーズから熱を帯びていく演奏、
内面の混沌を表すようなコーラスエフェクトのかかった歪んだギターリフ。
歌にならない歌、そこに何か一番のメッセージを感じてしまいます。
ライブでは音源にはない佐藤さんのシャウトが入りました。
4人の心をシンクロさせるような圧倒的な叫び声がバンドを次のステージへと送り出すようにも聴こえたし、バンドを離れる佐藤さんへとメンバーがエネルギーを放出し、
全員が別次元へと大きな力に引っ張られていくようでした。
運命共同体だからこそどこかで危うさも孕んでいて、いつか終わるという切なさがついて来ます。つまりお刺身同様、バンドにも旬があり、味わえる期間は限られている肉体を超えて音になる生き物なのです。(作品は永遠に残りますが)つまりバンドはナマモノなのだ!
ストーリー
曲が素晴らしければ聴きたくなりますが、バンドがどんな道のりで活動してきたのか、
その上で曲を聴くと感慨深いものを感じられるのもバンドの聴き方の一つであります。
赤い公園は現在、新体制ボーカル・石野理子さん(元アイドルネッサンス)が加入しました。アイドルグループのセンターとしてボーカルパートの多くを担って来た石野さん。
J-POPの名曲を新たな解釈とアレンジでカバーするコンセプトは斬新でした。
ここで一曲聴いて下さい。
アイドルネッサンス「Rain」
0:27~0:49の出だしわずか22秒間の1コーラスだけで曲の世界観に一気に引き込む歌唱力。
石野さんの声はポカリスウェットくらい身体に染み込みます。飲む点滴。聴く点滴。
ジブリ映画のヒロインのような透明度、8Kで撮影された映像並みの鮮明な声の解像度に心癒されます。
ボーカルが脱退した赤い公園とグループが解散した石野理子さん。
その奇跡的な出会いは、ギターが脱退したBase Ball Bearの小出祐介さんがライブのサポートメンバーとして参加した津野さんへ「恩返し」として石野さんを候補として紹介したというストーリー…(泣)(小出さんはアイドルネッサンスにカバー曲だけでなくオリジナル曲も提供しています)人生何が起こるか分かりません。
ハロプロなどアイドルへも楽曲提供されている津野さんの曲に彼女の声が乗る。
それは例えるなら最高級新潟県魚沼産コシヒカリのシャリの上に(米咲さんだけに)
最高級・大間の本鮪が乗るような極上の出会い。(刺身&バンドはナマモノだけに)
音楽という名のお寿司を握りたてで戴く準備してお待ちしております。
p.s. この文章を書いている矢先、9月19日発売予定のYUKIさんのニューシングルのカップリング「かたまり」の作・編曲がなんと津野さん!! このタッグ、涎が止まりません。。。まさかこんなストーリーが待っているとは。。YUKIさんと津野さん、例えるなら生ハムとオリーブオイル、トマトとモッツアレ(以下略)
まとめ
石野さんは赤い公園加入の顔合わせ時、「みなさんが楽しそうに演奏している姿が素敵」と話したとの逸話もございます。この言葉に全て集約されています。リスナーもその楽しそうな企みに参加するような、一緒に楽しみたいと思わせてくれるポジティブなエネルギーこそバンドなのでしょう。
今回も最後までお読み頂きありがとうございます。
バンドの魅力伝わりましたでしょうか?
バンドの最大の魅力、それは「とにかく楽しそう」これに尽きます!!
本日最後のナンバー
赤い公園「NOW ON AIR」/2nd Full Album『猛烈リトミック』(2014年9月24日発売)収録
高橋 圭●1988年5月3日生まれ。2011年から作曲、ギターを務めるgood sleepsのALBUM『SIGNAL』はiTunes store、Apple MUSICにて配信中。Twitter:@zazamino
good sleeps
http://good-sleep.jimdo.com/