以前に僕は夏が好きだと書きました。
そんな好きな夏が終わり始めて、段々と秋の気配を感じる頃、もっと夏の間に色んな事しとけばよかった、もっと色々出来たんじゃないかと、若干の後悔と共に秋を迎えます。毎年。
月並みな言い方ですが、人は失ってからでないと気付かない生き物だと、僕も思います。
でも、その感覚があるからこそ、人は次に向かえたり、向上心が芽生えたりするとも思います。
そんなやるせない思い、後悔を綴った文や歌が人をいつの時代も人の心を惹き付けるのは、ある所でその感覚を人は必要としているのかもしれません。
それに対して、その瞬間楽しければいい、その瞬間楽しめるものだけを選ぶ、そんな感覚が昔よりも少しずつ増している様な気もしてます。
全てとは決して言わないですが、若者の音楽の選び方もそういう風潮がある気がして、少し気になります。
もちろん、僕も楽しく生きていたいです。
笑っていたいです。当たり前に。
ただ、最終的に皆が笑顔で溢れるところへ向かうべきだと思いますが、色々な感情や経験を経て辿り着く笑顔と、いきなりあっさりと得られる笑顔と、少しその笑顔の質は違う様な気がします。
うまく説明出来ませんが、やたらと皺の多い、そんな笑顔が個人的には好きなんです。
来年の夏こそは、やりたい事をやり尽くせる夏にしたいと思っています。毎年。
藤本浩史●1980年11月15日生まれ。神戸出身。ロックバンド、the coopeezのボーカル。作詞、作曲の他、バンドに関わるアートワークを全て手掛ける。自称、スーパーコンプレックス持ちのスイッチON/OFF型。もしくは、肉食系の中途半端ボーイ。
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@coopeezfujimoto