今回はセカンド・アルバム『夢夢(ムームー)』をリリースしたばかりの、hotal light hill’s bandをご紹介します。
2010年に千葉県柏市で結成された5人組のバンドです。
ヴォ-カル&ギタ-の藤田くんは、彼が以前、RAVEというバンドをやっていた頃から知っていたのだけど、
新しいバンド、hotal light hills bandがずっと気になっていて。何より今回のアルバムには「夢子」というタイトルの曲がっ!
「YUMECO RECORDS」としては取材しないわけにはいきません♪
ちょっぴりフォーキーで、ロマンチックでいて人の暮らしにぴったり馴染む、
男女ツインヴォ-カルのハ-モニ-も爽快ハ-トフルな
そんな“ホタバン”の世界に、ちょっと触れてみていってください。
vo,gt 藤田竜史/vo,gt 村上友香/gt 徳田直之/ba 小倉大輔/dr 小野田尚史
しかも今回は、彼らのCDジャケットのイラストを手がけているMaxさん(本業は某有名漫画家アシスタント)にも来てもらい、
RAVE時代からずっと藤田くんの音楽を追いかけている彼にも、ホタバンの魅力を語ってもらおうというわけで。
藤田くん & Max さんの対談でお送りします。
取材はホタバンの地元、千葉県柏にて。左がMax.さん、右が藤田くん。
☆☆ホタバンの始まり☆☆
――まず、hotal light hill’s bandを知らない方に、藤田くんからどういうバンドか説明してもらいたいなと。
藤田「はい。柏で結成された、男女のツインボーカルを特徴とする5人組のバンドです。バンドとしては結構、オーソドックスな感じなんですけど、ツインボーカルを活かして歌詞の面でも、男の子と女の子の物語っていうのも唄えるんですけど、僕らは、〈一人の人間の中にいる二人の自分〉を唄いたいというテーマがあって。女性ボーカルである友香の声が、すごく中性的というか、変声期の男子みたいな感じなんですね。僕ともキーの高さがあんまり変わらないので、これからもっとこの男女ツインボーカルの可能性を追求していきたいと思ってやっています」
――藤田くんが前にやっていたRAVEは10年活動されてたわけですよね。その後にこのバンドを始める流れとしては、結構自然なものだったんですか?
藤田「まあ、自然ではなかったかもしれないですね(笑)。戦いが結構ありました。最初の何ヶ月かはRAVEという名前を残しつつも、ほぼ今の編成でやってたんですよ。でもずっと悩んでて。ただ、今までやってきた曲の世界観をガラッと変えるつもりは全くなくて。だけど周りからはバンド名をもう一回考えた方がいいんじゃないと言われ、3ヶ月くらい経ってからやっと決意して違うバンド名にしたんです」
Max「ネロだ(笑)」
藤田「そう、幻のネロというバンドがいまして……」
☆☆幻のネロ時代☆☆
藤田「ネロはね、相当短い活動でしたよ(笑)」
Max「僕は当時、ネロのロゴを考えてくださいって言われて」
藤田「そう、それがMaxさんにイラストをお願いした最初なんですね」
――そうなんですね。
Max「それでネロのロゴと、ステッカーを作らせてもらったんですよ。それ、今でも使ってもらったりしてるんですけど」
藤田「バンドのテーマとしてはあんまり変わってないですからね」
Max「ネロもホタバンも基本的なコンセプトは〈少年の心〉みたいな感じなので。ネロのステッカーを作るときも〈帽子を被ってる少年〉のイメージ、って言われて、作って。そしたらすぐに〈バンド名が変わりました〉って言われて、ええーっ!て(笑)」
――ネロだった期間ってどのくらいですか?
藤田「1ヶ月、2ヶ月くらい(笑)。やっぱりバンド名って大事じゃないですか。言ってしまえばお店の看板なのでね」
――それを結局、小山田くん(andymori)が付けたっていうのは?
藤田「ネロの時に〈蛍ヶ丘〉っていう曲が出来て。もう小山田くんとは10年来の付き合いなんですけど、彼の家で時々、弾き語り大会みたいに、お互いに新曲が出来たら聴かせ合ったりしてるんですね。ある日、僕がバンド名をネロにしたんだって電話で話したら、次の日のお昼に電話がかかってきて。〈ネロってあんまりフィーリング的にいい気がしないんだよね。“蛍ヶ丘”って曲があるんだからhotal light hill’s bandでいいじゃん〉って。それで僕も〈ああ、いいね!〉って」
――もうちょっと早く電話するべきでしたね(笑)。だってもうステッカー作っちゃってたわけでしょ?
藤田「そうそう(笑)。しかも大量に作っちゃったから。Maxさんと〈これをどうやって使おう?〉って話して」
Max「それで無理やり〈hotal light hill’s bandに共感してくれた人は、みんなネロという仲間なんだ!〉っていうことにして、配ったんですよね(笑)」
これが幻の(笑)、「ネロ」ステッカー!
☆☆ジャケット制作秘話☆☆
――そもそもMaxさんと藤田くんは共通の知人がいて、そこでMaxさんがRAVEのライヴを観に行くようになったのが始まりだそうですね。
Max「そうです。人として知り合ったのが先でしたね。それでライヴを観に行った時に、すごくクオリティが高くて〈この人プロだな〉と思ったんです。ちゃんと商品として出せるものを持ってる人だなって。それでずっと音楽を聴いてライヴに行ってたら、ネロのステッカーに始まり、今度はホタバンのジャケ写を描いてくださいっていうお話をいただいて」
――どんなイメージで描いていったんですか?
Max「1枚目の『星年賛歌集』は、蛍の光だから夜空と少年。もともと、なんでモノクロのイラストなのか?っていうところですよね。こういうのってあんまりないじゃないですか。最初にコミックっぽく、スクリーントーンとか使ってやってみようってことで1枚目のジャケットを作ったんです。そしてセカンド・アルバムでは藤田さんに〈デザイン的にもっとシンプルなほうがいい〉っていうリクエストがあったので、〈背景がないほうがいいのかな〉と。『夢夢(ムームー)』を聴きながら色々悩んで、こんな感じにしたんです」
――『夢夢(ムームー)』は女の子ですね。
Max「はい。1枚目が少年だったので。でもコレに関しては、藤田くんに〈ダブルピースしてる絵を描いてください〉って言われて。それはちょっとダサいかなと思ったんですけど(笑)、でもそこにある想いも聞いて」
――歌詞に出てきますもんね。
Max「それで女の子がダブルピースしてて、後ろの方に少年がいて。夢の世界があって、女の子がその世界の音を聴いている、という絵にしたんです。でも、女の子がいる世界が現実なのか?っていうと、ちょっと浮いてるみたいな。夢の中の夢、的なイメージがあるんです」
こちらがファースト・アルバム『星年賛歌集』のジャケット
こちらがセカンド・アルバム『夢夢(ムームー)』のジャケット。
(後編に続く)