お久しぶりです。
正直に告白します。
しばらくのあいだなんとなく音楽が聴けなくなっておりました。何があったというわけでもないんですけど、ライブを観に行く回数もめっきり少なくなり、なにより、家にいるときはおろか通勤時すら、聴こうと思えなかったというか、聴けなかったのであります。
といった話しをお友だちに聞いてもらいつつ、激推ししたいthe coopeezというバンドの良さについてそのお友だちの人に力説したんですが、わたくし伝えたい想いが空回りしまくり、言葉を選び過ぎて、結局、言葉に詰まってしまったんですね。何言っても陳腐に思えて、the coopeezの良さを伝えきれず、話せば話すほど邪魔をしちゃうような気すらして、でも伝えたくて、ひと言発しては「いやそうじゃなくて、こうなんだ」って、言っては訂正して言って訂正して…。最終的に、どう伝えたらいいかわからなくなり黙りこくる私。そしたら言われました。
「そりゃそんな風に(めいっぱいで)聴いていたら、音楽聴けなくなるわなあ」と。ガーン。その通りだわ〜。でも戻って来ました。ただいま!戻って来られたキッカケがあるんですけれど、それはまた機会があったら、そのことをどこかで書きます!ツイッターとか!
さてさて、最終回っていうかもう新しい一年がはじまってしまったのでもはや連載後のスピンオフっていうか特別編っていうか、そんな感じですが、今回は!the coopeezのことを!!!奮って紹介させていただきまっす!!!
とっちらかった精神状態で聴くと全身全霊で耳が痛くなるというか、自分自身から目を逸らしたくてももう逸らせなくなるというか、逃げたいな~と思っても「正直な自分」みたいなのがおかげさまでしっかり明るみに出て来てしまうので、ほんと気をつけてください、聴いたが最後、あなたは……おっとこれ以上は。
京都のバンド・the coopeezと出会ったのは一昨年の年末のこと。彼らの2nd Album『GOLDENTIME』が発売され、そのレコ発ライブを観たのが最初でした。
ライブのちょっと前にじわじわと気になりはじめ、ちょうど同じタイミングで上野三樹さんも大注目されていて、もうこりゃぜったい観にゃあかんやろうと思い、わりと忙しかったにもかかわらず仕事そっちのけで渋谷は屋根裏を目指したのでした。
最初の印象といえば。
心の中がミキサーにかけられてるみたいにごおおおおおおおおおおおとかき混ぜられ、目の前にでっかい扇風機を置かれたみたいに風を受け続けて呼吸困難になり(どないや)、そういう大変なときってなぜか人は笑っちゃうと思うんですけど、例外無く私はずっと笑い続けておりました。
それでいて、歌詞が、すーーーっと聞こえてくるんです。ただでさえライブというものは歌詞を聴き取るのが難しいものなのに、メッセージが心に染み渡ってくる。それがとっても不思議でした。
唄っている、暴れている、のたうちまわっているVo./G.藤本浩史さんは、目を見開いて、ひと言ひと言の言葉をぜんぶ届けようと必死で、その姿を見ている私は、とりこぼすことなくぜんぶ聴き取りたくなって、耳をかっぽじって知らぬ間に心の目まで見開いて、受け取ろうとしていた。だから聞こえたんだろうなあ。
自分の殻に閉じこもって、ひとりでいて、伝えたいことを伝えられないまま大人になって、それじゃあだめだっていうことにあるとき気がついて、殻から出て来て、それで歌い始めた藤本さんは今、ひょろひょろの頼りない姿でステージに上がって、3人の仲間と一緒に文字通り全身全霊でバンドをやっている。
過去にとらわれたり、過去の自分に「黒歴史」ってラベル貼って遠くに追いやったりするんじゃなくて、こもってたころの自分を引き受け、もがいていた自分自身を全部抱きしめてあげる。
その姿は、実際のところ全然頼もしくないし、ひょろひょろのへなちょこなんだけど、初めてthe coopeezのステージを観たときから、私のなかで彼らはスーパーマン。その姿を通して、私が、救われている。
彼らの姿を追っていると、いつのまにか、目を逸らしていたあれこれと向き合うことになって、目を逸らそうと思ってもずーっとそれらが頭から離れなくて、対峙せざるを得なくて、つらいんだけど、大変なんだけどごまかさないで済んで、生まれてから今日までのどの瞬間の自分も一人たりとも殺さずに、これから生きていけるようになる、全然魔法なんかじゃないけど、地道なんだけど、でも、めんどくさい自分に変身するのがなんか誇らしくなっちゃう。そんな気持ちにさせてくれる。
とはいえ、そうやって生きていくのってめんどくさいじゃないですか。泥臭いじゃないですか。全然スマートじゃないじゃないですか。常日頃から周りの人たちと感情を通い合わせて生きていったらもたないじゃないですか。泥臭くって不器用な人って、統計的にみても損する瞬間多いじゃないですか(俺肌感しらべ)。でも、それでいいじゃないですか。私は、そうやって生きていきたいし、そういう人たちと繋がっていたいし、あなたの殻が破れる瞬間を見たい。まあ…私もね…殻の中の居心地がよくてね…困っているんですけれどね…。ふう。
余談ですが、私、小学校の頃から毎年の誕生日に7年後の自分に向けて手紙を書いてるんですよ。7年前の自分からの手紙を初めて読んだのが、中学生になってから。これがね、結構キツいんです(笑)。小学生の頃の私は無限の未来に可能性しか感じず手紙全体がキラキラしてて、中学生くらいになってくるとだんだん翳りが見えてきて、大人になるにつれて、どんどん文面があっさりしてきて現状報告で終わる…。はっきり言って今の私じゃ目を輝かせていた小学生の私に会いにいけないし、高校生くらい以降の私に向かって「ま、元気だせよ!」と軽口をたたくこともできません。自信持って胸を張って会うことはまだちょっと難しいですが、だけども、「そんな悪くないぜ〜」とは、ギリギリ言えるかな。多分、ほんと、ギリギリ(笑)。
そんなわけで毎度おなじみですけれど、みなさんにまずはライブをみていただきたい。
京都のバンドですが、だいたい月1くらいで東京にも来てます。
現時点で1月~3月は毎月ライブが決まってます。
詳細はthe coopeezのWebサイトをチェキラ!イエア!
あのねーほんとにねー、ライブ観てー。損させません。絶対損させません。(といってバンドにプレッシャーを贈る)
ちょっと前になるんですが、昨年の10月に新宿のredcloth、12月に渋谷のo-crestで観たときには、お客さんの半分くらいは彼らを知らなかったみたいで、開始から2曲くらいは、みんな様子を伺ってるんですよ。どっちかっていうと、引いてる感じすらあって(笑)。
ちょっと動き変だし、関西人の本領発揮でMCがおもしろいし、でも歌いはじめると、余計なこと考える隙間がないくらい引き込まれちゃう。彼らの持ち時間が終わる頃には、みんな「イエーイ!」って感じで楽しくなってるっていう変化が、端から見てて歴然と感じたっす。うっす。カレーとライッス。
「カレーとライス」
もしそういう仕事に就いていたなら、みっちり5時間くらいかけて彼らにインタビューしたい。2万字じゃ足りないくらい。特に藤本さんが殻を破って出て来たあたり、もっと詳しく教えてほしい。それで、仲間になろうって思ったメンバーの心境ももっと気になる。
「オンナノコ・ネバーギヴアップ」
じわじわ…じわじわじわ…と、曲の展開とあわさって最終的にこぶし握りしめてとにかく走り出したくなる。市ヶ谷から渋谷くらいをダッシュでキメてしまいそう。大阪で言うと、梅田駅から東三国駅のちょい手前くらいまでいく感覚。
ほんのりと重なり続けるDr.森田夏音さんの声が、オンナノコの密やかな闘志がみなぎってていいです。好きです。夏音さんのドラム叩く姿も好きです(告白)。
さて、2013年を通して、鼻息荒く自由にお伝えさせていただきましたが、鼻息荒くなりすぎて、たいそう押しつけがましく、さぞかし暑苦しかったと思います(笑)。他にもたっくさん、ご紹介したい音楽があるのですが、ぼちぼち、YUMECO RECORDSに投稿していきたいと思います。掲載してもらえるように頑張りまーす!(笑)
the coopeez
いとうさわこ
1984年うまれ。都内で働くOLです。年末年始は徒歩5分の距離に住む祖父の家で暮らしていて、SNS類からも離れ、憧れの隠居生活にだいぶ近づく暮しをしていました。それもあって、音楽をもっと聴けなくなってしまったのかもしれません。空いた時間に編み物に挑戦したり…。友人からは「迷走している」と思われていたようです(笑)。今年もなんらかの形で書き続けられたらなあとほんわか思ってます。