始まりましたGAL Radio。ここはカフェで友人と話すように音楽の魅力についてお話する場所です。秋真っ盛り。皆さんはどんな風に季節を楽しまれていますか? 僕は公園の芝生に寝転がりながらホットコーヒーを飲みつつ本を読んだり、昼寝して、変化する空を眺める気ままな時間が大好きです。徐々に寒くなり冬支度していく街並みも良き(特に新宿御苑がオススメです)。
今回は秋にピッタリな先日リリースされたばかりの僕の新曲「花束」についてご紹介致します。まずは曲をお聴きください!
花束の種
この曲は昨年、とある方へのコンペ提出用に書き始めました。曲の骨格が見えてくると「自分で歌ってみたいな」という思いが芽生え、自分用に制作をシフト。自分以外の誰かに提供することをきっかけに産まれたのも何か意味があるような無いような。
音に秋の雰囲気を感じたので当初2020年秋にリリース予定で進めていましたが、完成度に納得がいかず、1年かけて制作。いじっては寝かせてを繰り返し、大切に育てた難産の末の発表となります。
花束に込めたテーマ
歌詞は『母親への感謝』をテーマに書きました。元々片想いのラブソングだったのですが共同プロデューサーJ・Akutsu氏の「もっと大きな愛というかお母様への感謝を伝える歌にしてみてはどうでしょう?」という提案からキーワードを残しほとんどの歌詞を変更しました。
僕の母は野草家としてフラワーアレンジメントの先生などをしています。自宅に花が飾られている環境で育ったこともあってか、花がくれる優しい気持ちだったり豊かな心はいつか歌にしたいなと考えていました。うちは親子凄く仲が良くて、僕が高校生になる頃から女手一つで育ててくれた母には本当に感謝しかなく尊敬しています。喧嘩もしますが笑顔で丁寧に暮らしていく生き方の見本のような人です。花と母への感謝がリンクしてから曲の持つ色ともマッチしていったように思います。
アートワーク用のブーケ作成を母に依頼、曲中の弾き語りパートの音は母がよくお花を摘みに行く(トイレじゃなく)森で録音、リリース日は母の誕生日とまつわるエッセンスをなるべく織り込みました(めちゃくちゃ仲ええやん)。
よく自然を「母なる〇〇」なんて形容しますが、自然の大きさに重ねたり、人生を四季に例えたりというのもひとつのテーマとしてあるのでその辺りも感じて頂けたら。緑に囲まれた鎌倉で制作していること、今年の夏に祖父が亡くなり、家族との残された時間の大切さを強く感じていたことも少なからず作品に影響したかもしれません。
大切な人へ贈る花束のような曲
花束を渡すという行為は、咲いているそれが渡す人と受け取る人の今を共有しているのだと思っています。花はいつか枯れてしまうからこそ、命はいつか終わりが来るからこそ美しく、意味がある。
今目の前にある瞬間や思い、小さな日常を束ねるように抱きしめていくことがいい方向に動くきっかけになると思っています。是非大切な人を思い浮かべながら、秋を感じる景色の中で聴いて頂けたら嬉しいです。では今回はこの辺で。最後までご覧いただきありがとうございます!
Kei Takahashi
4th Digital Single「花束」
2021.10.01 Release
Produced by Kei Takahashi & J.Akutsu
Words:J.Akutsu & K.Takahashi
Music:Kei Takahashi
Arrange:Kei Takahashi & J.Akutsu
Art Work : J.Akutsu
Flower Arrangement : Miki Takase
▼Streaming & DL はこちらから
https://linkco.re/uBmnZt32
▼歌詞はこちらから
https://linkco.re/uBmnZt32/songs/1605137/lyrics
オススメしたい!のコーナー
お外で聴きたい!「秋にぴったり」ソング
是非お気に入りの公園やお散歩中に聴いて頂きたい!
ゆず「季節はずれ」(4th Album『ユズモア』収録)
抽象的かつ切ないワードで心を掴む岩沢文学最高峰の一つ。歌詞は四季を表す言葉が並ぶのに何故か秋を感じさせる不思議さ。寺岡呼人氏のJ-POPエッセンスが冴え渡るアレンジは今聴いても色褪せないエバーグリーンなサウンドです。ゆずは明るいだけでなくこういった影も感じさせる振り幅あってこそだと元ゆずの輪会員は思う訳です。夕暮れ時に是非。
ドレスコーズ「20世紀(さよならフリーダム)」(5th Album『平凡』収録)
アルバムタイトルとは真逆の奇抜な発想で、新しさと懐かしさが同居した印象の曲が並ぶ名コンセプトアルバム。その中でも志磨遼平さんのメロディーメーカーっぷりが爆発している一際ポップで切ないサウンドは秋の夜にぴったりです。歌詞の乗せ方、ラストの転調で開けていく音像のカタルシスは必聴です。
AAAMYYY「Elsewhere」(2nd Album『Annihilation』収録)
枯れ果てた大地に染み込んでいく水のようにスーッと入り込んでくる歌声。サビの「どいつもこいつもお前を苦しめていく」というハッとするフレーズは攻撃的な表現に思えますがこの言葉を歌ってくれることで何故か救われる作用がある妙。最後の一行〈今は知らない優しさを知りたい〉がそれを更に強く印象付けます。アルバムを通して流れる浮遊感は深夜のドライブにも合うと思います。
高橋圭(たかはし けい)●作詞・作編曲・演奏家 1988年5月3日生まれ。2011年よりgood sleepsの作曲、ギターとして活動開始、2016年活動休止。現在は演奏から録音、ミックス・マスタリングまでを自身で手掛けるスタイルでソロ活動中。楽曲はApple Music、Spotifyなどで配信中。レコーディングなどお仕事依頼はTwitter DMからお待ちしております。
Twitter:@zazamino
イラスト:matsun
「Ginger Ale Lover’s Radio」ここまでの道のり
第1回「はじめましてのご挨拶(自己紹介)」
第2回「Guitar~ダサい僕が手にした最高の相棒~なんでこんな邦題足したの? っていうB級洋画の和訳タイトルみたいなダサさ(ギター愛を語る回)」
第3回「真夏の特大号 想像力(YUKI『チャイム』レビュー、久しぶりのライブ、真夏のドライブプレイリスト)」
第4回「バンドは生き物、刺身はナマモノ。(赤い公園特集)」
第5回「Mr.Children(メジャーセブンス、センス、スタンスとバランス)」
第6回「Mr.Children 『重力と呼吸』アルバムレビュー」
第7回「ミスチル、YUKIライブレポート特集」
第8回「新春新曲祭」
第9回「レコーディングオタク」
第10回「YUKI 『forme』アルバムレビュー」
第11回「音楽で逢いましょう」
第12回「good sleeps Album『SIGNAL』セルフライナーノーツ」
第13回「雨ソング特集」
第14回「Live DVD &Blu-ray『Mr.Children 『Tour 2018-19 重力と呼吸』ディスクレビュー」
第15回「BUMP OF CHICKEN NEW ALBUM『aurora arc』アルバムレビュー。何故彼らは宇宙を歌うのか」
第16回「竹内まりや「カムフラージュ」から学ぶ切なさ講座」
第17回「新曲発表のコーナー『ねぇ、できちゃった』完結編!」
第18回「YUKI『聞き間違い』から学ぶ “ きっと大丈夫 ” 講座」
第19回「何故私たちはクリスマスソングを作り、聴くのか」
第20回「TRICERATOPSから学ぶリフで踊ろう! 講座」
第21回「3ヶ月連続企画! 第1弾 Chara +YUKI『楽しい蹴伸び』から学ぶ無意識の美しさ」
第22回「3ヶ月連続企画! 第2弾「Chara +YUKI 『echo』全曲レビュ ー」
第23回マイフェイバリットエモーショナルソング 10選」
第24回「和田唱(TRICERATOPS)『ALBUM.』から学ぶ笑顔の大切さ講座」
第25回「『ねぇ、できちゃった』のコーナー夏の特別編! 新曲「ひまわり」セルフライナーノーツ」
第26回「ニッポンの偉大なギター名盤10選」
第27回「夏とシティポップ」
第28回「初秋にこそ聴いて欲しい、サザンオールスターズ『真夏の果実』の魅力」
第29回「温かみ、手触りを感じる名作 Yuzukana 『ZUSHIKI』制作秘話!」
第30回「Mr.Children『Brand new planet』レビュー」
第31回「Mr.Children NEW ALBUM『SOUNDTRACKS』レビュー 〜人との出会いと音楽の化学反応〜」
第32回「TRICERATOPS トリビュート盤レビュー&ライブレポート!」
第33回「写真家・薮田修身 展覧会『THERE WILL BE NO MIRACLES HERE』レポート」
第34回「新企画!『YUMECO RECORDSのテーマソングを作ろう』始動!!」
第35回「YUKI『Baby it’s you』が示す、君と私の世界が愛と音楽に満ちている理由」
第36回「YUKI NEW ALBUM 『Terminal』レビュー」
第37回「ホタルライトヒルズバンドNEW ALBUM『SING A LONG』レビュー」
第38回「東京スカパラダイスオーケストラ 『TOUR2021 Togeter Again!』ツアーファイナルライブレポート」
第39回「新しいギターを買ったよ!」
第40回「音楽と食」