始まりましたGAL Radio。ここは友人とカフェでまったり過ごすように、音楽の魅力についてお話する場所です。ゆっくりしていって下さい。
来ましたね、秋が。今回は食欲の秋にちなんで音楽と食の関係について考えてみます。
今年の夏は（というかもう1年半）なるべくの外出を控えて来た訳ですが、それに伴い自炊をする機会が増えました。料理なんて全くしなかった友人も料理研究家・リュウジさんのYouTubeで魅力に目覚め、作った品のお写真を互いに送り合うほどまでに。会えない日々をそれぞれの場所で工夫して楽しんでいます。
食について
わたくし、お米が大好きでございまして、皆さんの「ご飯に合う料理No. 1」はなんでしょうか？
僕は即答で豚汁と答えます。野菜たっぷりでお肉も摂れる最強の汁物（発明）。
その相性といったら、ASKAさんに対するCHAGEさんのコーラスのような、ハモりなのに主役でもあるバランスは極上のハーモニー。白飯何杯でもいけます。
小さい頃から高橋家では「お米粒を残すと目が潰れる」としつけを受けました。
生き物も食べられる状態で提供されると命を頂いていることを忘れがちになります。
全ての人間が食からエネルギーを生成している以上、音楽を始めとした表現する行為の源にもなっていることは切り離せません。「食」という字が人を良くすると書くように、感謝と敬意を持つことが自分にとっては大切なことに思えるのです。
音楽のある食卓
最近とある場所の音楽プロデュースを担当することになり、音響機材のチョイスからBGMの選曲など、音楽に関する様々に携わっております。
そこでは料理も提供するので料理に合うお酒を選ぶように、食事に合う雰囲気もイメージして曲を選んでいます。盛り付けや照明など同様、食欲をそそる要因として音楽が与える影響は大きく、ジャンルですとクラシック、特にモーツァルトが効果的という研究結果もあるそう。音楽が心にもたらす効果について食を通して発見する日々。
皆さんの思う「食事に合う音楽」はどんなのものかも聞いてみたいです。
音楽と食の共通点
音楽と食の共通点は色々なものが混ざり合う良さ。マリアージュに魅力があると思います。
調味料や食材同様、様々な楽器や音が上手く調和した時に舌触り、耳触りの心地よさを感じる気がします(調和の取れていないことが良い時もありますが)
日々レコーディングをしていて感じるのは、音楽を作る作業は料理にとても似ているということ。その曲の雰囲気を引き立てる楽器を選ぶ作業は、まさに味付けそのものです。
アルバムはコース料理に例えられたりしますよね。お出汁だけ効かせた素材勝負のシンプルな歌や、様々な具材が入った賑やかな曲と献立を考えるようにアルバムや1曲の中にどんなスパイスを効かせるかを楽しみながら制作しています。
僕は作曲する際、ギターやピアノでメロディに合うコードを探りながら鼻歌で進めていきます。はじめは歌とアコギだけのシンプルなものも、アレンジしていくとつい色んな音を肉付けしたくなり、足し算になりがちです。料理も量が多かったり味付けが濃すぎるとトゥーマッチですよね。それぞれの役割を最大限果たす為にはバランスが大変重要で、引き算の美学は料理するようになってからより感じるようになりました。
音楽はお腹を満たすことも寒さを凌ぐことも出来ないけれど、それをまた続けていこうと思わせてくれる心の原動力になることはあるなと思っています。
レコーディングはじっくり煮込むお鍋かなぁなんて、今日も大好きな豚汁を食べながら思う訳であります。
ひとりで食べるより、大切な誰かと一緒に食べる時間がより幸せなように、
美味しいものをシェアしたくなるように、制作中の新曲たちが皆さんのお耳にも喜んでもらえればと腕を磨きながら大切に作っております。
シェフオススメの数々を出来立てで召し上がって頂けたら嬉しいです！今回はこの辺で。
季節の変わり目、お身体ご自愛くださいませ。
オススメしたい！のコーナー
今回の選曲テーマは「食」。
「お料理行進曲」YUKA
『キテレツ大百科』OP。歌詞がレシピになっていてBメロの切なさを抜けサビで揚げ完成という画期的さ（作詞・森雪之丞氏）。聴くたびにコロッケを食べたくなるナリよ！
「ポテトサラダ」ZAZEN BOYS
少し大きめでごろごろとしたポテサラを頬張りたくなる。じゃがいもが大好きなんです。余談ですが我が家では天ぷらはさつまいもではなくおじゃがです。
「魔法の料理～君から君へ～」BUMP OF CHICKEN
TBS系ドラマ『カルテット』で泣きながらカツ丼を頬張るすずめちゃんにまきさんが放つセリフ「泣きながらご飯を食べたことがある人は生きていけます」に通づる、いつかの自分を救ってくれるような曲。大きな優しさ、愛情に包まれる瞬間の胸の暖かさを感じさせてくれます。
高橋圭からのお知らせ
『Happy Birthday 10TH ANNIVERSARY Version』YouTubeにて公開中
新曲「中央線に揺られて(inbound)」好評配信中！
楽曲配信URL https://www.tunecore.co.jp/artists/takahashikei
高橋圭（たかはし けい）●作詞・作編曲・演奏家 1988年5月3日生まれ。2011年よりgood sleepsの作曲、ギターとして活動開始、2016年活動休止。現在は演奏から録音、ミックス・マスタリングまでを自身で手掛けるスタイルでソロ活動中。楽曲はApple Music、Spotifyなどで配信中。レコーディングなどお仕事依頼はTwitter DMからお待ちしております。Twitter：@zazamino
イラスト:matsun
「Ginger Ale Lover’s Radio」ここまでの道のり
第1回「はじめましてのご挨拶（自己紹介）」
第2回「Guitar～ダサい僕が手にした最高の相棒～なんでこんな邦題足したの？ っていうB級洋画の和訳タイトルみたいなダサさ（ギター愛を語る回）」
第3回「真夏の特大号 想像力（YUKI『チャイム』レビュー、久しぶりのライブ、真夏のドライブプレイリスト）」
第4回「バンドは生き物、刺身はナマモノ。（赤い公園特集）」
第5回「Mr.Children（メジャーセブンス、センス、スタンスとバランス）」
第6回「Mr.Children 『重力と呼吸』アルバムレビュー」
第7回「ミスチル、YUKIライブレポート特集」
第8回「新春新曲祭」
第9回「レコーディングオタク」
第10回「YUKI 『forme』アルバムレビュー」
第11回「音楽で逢いましょう」
第12回「good sleeps Album『SIGNAL』セルフライナーノーツ」
第13回「雨ソング特集」
第14回「Live DVD &Blu-ray『Mr.Children 『Tour 2018-19 重力と呼吸』ディスクレビュー」
第15回「BUMP OF CHICKEN NEW ALBUM『aurora arc』アルバムレビュー。何故彼らは宇宙を歌うのか」
第16回「竹内まりや「カムフラージュ」から学ぶ切なさ講座」
第17回「新曲発表のコーナー『ねぇ、できちゃった』完結編！」
第18回「YUKI『聞き間違い』から学ぶ “ きっと大丈夫 ” 講座」
第19回「何故私たちはクリスマスソングを作り、聴くのか」
第20回「TRICERATOPSから学ぶリフで踊ろう！ 講座」
第21回「3ヶ月連続企画！ 第1弾 Chara +YUKI『楽しい蹴伸び』から学ぶ無意識の美しさ」
第22回「3ヶ月連続企画！ 第2弾「Chara +YUKI 『echo』全曲レビュ ー」
第23回マイフェイバリットエモーショナルソング 10選」
第24回「和田唱（TRICERATOPS）『ALBUM.』から学ぶ笑顔の大切さ講座」
第25回「『ねぇ、できちゃった』のコーナー夏の特別編！ 新曲「ひまわり」セルフライナーノーツ」
第26回「ニッポンの偉大なギター名盤10選」
第27回「夏とシティポップ」
第28回「初秋にこそ聴いて欲しい、サザンオールスターズ『真夏の果実』の魅力」
第29回「温かみ、手触りを感じる名作 Yuzukana 『ZUSHIKI』制作秘話！」
第30回「Mr.Children『Brand new planet』レビュー」
第31回「Mr.Children NEW ALBUM『SOUNDTRACKS』レビュー 〜人との出会いと音楽の化学反応〜」
第32回「TRICERATOPS トリビュート盤レビュー＆ライブレポート！」
第33回「写真家・薮田修身 展覧会『THERE WILL BE NO MIRACLES HERE』レポート」
第34回「新企画！『YUMECO RECORDSのテーマソングを作ろう』始動!!」
第35回「YUKI『Baby it’s you』が示す、君と私の世界が愛と音楽に満ちている理由」
第36回「YUKI NEW ALBUM 『Terminal』レビュー」
第37回「ホタルライトヒルズバンドNEW ALBUM『SING A LONG』レビュー」
第38回「東京スカパラダイスオーケストラ 『TOUR2021 Togeter Again!』ツアーファイナルライブレポート」
第39回「新しいギターを買ったよ！」
