はい、そんな訳で〜始まりましたGAL Radio第21回。
まだまだ朝は寒くお布団の中で仕事や生活の全てが出来たらいいのにと廃人のような妄想ばかり無意識に繰り返しながらお布団から出るのが億劫な日々を過ごしておりますが、そんな冷え切った心の雪解けをもたらす作品について本日はお話したいと思います。
https://www.charayuki.com
今回から3ヶ月連続でご紹介致しますのは、奇跡のコラボレーション、Chara +YUKIのお二人についてお話して参ります!! 来月以降も是非お楽しみにしていて下さい。
まず今月は新曲「楽しい蹴伸び」について。
同名義としての作品としては実に約20年振りですが、mean machineでの活動や長年公私ともに仲の良いおふたり。昨年2月リリースのYUKIさん9th ALBUM『forme』収録の「24hours」をCharaさんに楽曲制作を依頼したことがきっかけとなりそこで産まれた数曲の出来が良く「また二人でやってみる？」というところから今回の企画がスタートします。
昨年書きましたYUKI「forme」アルバムレビューはコチラ
http://www.yumeco-records.com/archives/11289
▼コラボレーションの幸福な形
Charaさんが音番長（トータルサウンドプロデューサー）、YUKIさんが言葉番長（トータルリリックプロデューサー）としてそれぞれの得意な面を活かし楽しみながら曲作りは進んだそう。CharaさんはYUKIさんの良いところを引き出すサウンドや曲全体を整えていくように、YUKIさんはCharaさんに歌って欲しい言葉をイメージしながらアドリブで面白いフレーズを発したり（バンド時代から発揮されている特有なセンスだと思います）ボーカルレコーディングのファーストテイクでいきなりOKテイクを出すなど、お互いが経験に裏付けられた直感を大切に、お互いの持ち味を引き立て合うような製作過程は自分にしか出来ないことと相手にしか出来ないことを理解しつつ尊敬し合っているミュージシャンだからこそ成り立つものではないでしょうか。
コラボレーションという形の素敵な関係性が音として鳴らされています。どんなボーカリストも声質は変わっていきます（良い悪いではなく）が、今のおふたりの声の一番気持ちいい部分がふんだんに楽しめる1曲です。歌詞は夜のプールを泳ぐ恋するふたりを甘酸っぱく爽やかに描いていますが、個人的にはベッドの上で蹴伸びするように戯れ合うようなどこか微笑ましいセクシーさも感じました。
曲の主人公たちが感じている恋愛の切なさと楽しさ、また、音楽を楽しむおふたりの様子でもありタイトルはもちろん、〈とおせんぼう〉〈セロファン〉〈余分な力は いらない〉など今作も実にYUKIさんらしい世界観の「シンプルな言葉ながら耳に残るワード」がいくつも楽しめます。最後のフレーズ〈潜って伸びよう 願って呼び合う〉は英語詞のようにも聞こえる、音の響きから呼ばれた言葉のようでいて、意味もしっかりと成立している大人な音の遊びでございます。
作曲は今話題のTENDRE(テンダー)さん。ベーシストということもあり自然と腰が動くようなビートと水を掻くようなワウの効いたベースラインのアレンジが素敵です。癒されるメロディーとサウンドは、音楽という名の水中へと潜り、蹴伸びするように全身を使ってはしゃぐ軽やかさと、生命の起源というと少し大袈裟かもしれませんが母性のような大きな愛も同時に感じられます。
http://kawaharataro.com/profile
▼二人の魅力「仕草」
今回のMV、ファンの皆様既に悶絶していらっしゃいますよね？ 私もその一人です（笑）。美しい、可愛い、セクシー、エロい、かっこいいなどご感想色々あるかと思いますが、特に感じたのがお二人の魅力のひとつ、簡単に掴めない「ねこじゃらし感」です。まるでこっちにおいでよと誘うような見る者の目を惹く動き、それなのに近付くとスルスルと手の中からすり抜けていくような、しなやかさと柔らかさとくすぐったさを笑顔で繰り出された日にゃあ、リスナーの私たちはまるでカルカン（キャットフード）を前にした猫のようにまっしぐら、釘付けにされてしまいます。それはきっと無意識におふたりから出ている仕草故であり目線の外し方、指の動かし方、口の開き方（もうヤバイファンです）などの真似できない独特な動きによって心のスイートスポットをツンツン突かれているような感覚に。聴くたびに悩殺されております。無意識だからこそ美しい、そんな映像です。
今作は配信と7inchアナログ盤での発売（この辺りも音楽を作品として提供するおふたりの愛を感じます）僕もこの機会に遂にアナログレコードプレーヤーを購入しちまいました。
入門編なお値段ですがデザインとカラーが可愛く。TwitterにてYUKIさんファンのおひとりの方に紹介頂きました。70年代のアメ車のようなイナたいグリーンがきゃわいい。
本日最後のナンバーは20年前のおふたりの曲。フルで初めて見ましたがスケキヨみたいな人物は何を表しているのでしょうか。。
まとめ
いかがでしたでしょうか？ 全ての音楽は自分たちが楽しめてかつ、リスナーを喜ばせる気持ちで作られると思うので作為的な部分はありますがその発端となる0を1にする心の動きはやっぱり無意識から産まれるような気がしています。その初期衝動を大切にしているのではと今のお二人を見ていると想像してニヤニヤしております。（やっぱりヤバイファン）
次回は2月14日（金）発売のミニアルバム 『echo』について皆さんとお話したいと思います。それまでそれぞれの泳ぎ方で蹴伸びしながら待ちましょう。僕、全然泳げませんが。。
＊個人的なおしらせ＊
高橋圭 1st Solo Album『RADIO WAVES』好評配信中！
iTunes Store、Apple MUSIC、Spotify、LINE MUSIC、Google Play、Amazon etc…
https://linkco.re/eeAAN0HV
1.Ginger Ale Lover’s
2.17
3.その高鳴りはあのメロディー
4.マーチ
5.(We wish a) happy new year
6.いらない
7.重力に逆らって
8.波音
9.北極星の位置
10.あの娘とCHINA
11.わたしはあめ
12.訳などないよ
13.乃木坂で出逢って
14.Noël（新曲・ボーナストラック）
1.Ginger Ale Lover’s
2.seventeen
3.That high sounding like a that melody
4.March
5.(We wish a) happy new year
6.Not for me
7.Against the gravity
8.Sound of waves
9.Point of Polaris
10.To China With Her
11.I am Rain
12.No Reason
13.Come across at Nogizaka
14.Noël
高橋 圭●1988年5月3日生まれ。2011年から作曲、ギターを務めるgood sleepsのALBUM『SIGNAL』はiTunes store、Apple MUSICにて配信中。Twitter：@zazaminogood sleeps
http://good-sleep.jimdo.com/
イラスト:matsun
「Ginger Ale Lover’s Radio」ここまでの道のり
第1回「はじめましてのご挨拶（自己紹介）」
第2回「Guitar～ダサい僕が手にした最高の相棒～なんでこんな邦題足したの？ っていうB級洋画の和訳タイトルみたいなダサさ（ギター愛を語る回）」
第3回「真夏の特大号 想像力（YUKI『チャイム』レビュー、久しぶりのライブ、真夏のドライブプレイリスト）」
第4回「バンドは生き物、刺身はナマモノ。（赤い公園特集）」
第5回「Mr.Children（メジャーセブンス、センス、スタンスとバランス）」
第6回「Mr.Children 『重力と呼吸』アルバムレビュー」
第7回「ミスチル、YUKIライブレポート特集」
第8回「新春新曲祭」
第9回「レコーディングオタク」
第10回「YUKI 『forme』アルバムレビュー」
第11回「音楽で逢いましょう」
第12回「good sleeps Album『SIGNAL』セルフライナーノーツ」
第13回「雨ソング特集」
第14回「Live DVD &Blu-ray『Mr.Children 『Tour 2018-19 重力と呼吸』ディスクレビュー」
第15回「BUMP OF CHICKEN NEW ALBUM『aurora arc』アルバムレビュー。何故彼らは宇宙を歌うのか」
第16回「竹内まりや「カムフラージュ」から学ぶ切なさ講座」
第17回「新曲発表のコーナー『ねぇ、できちゃった』完結編！」
第18回「YUKI『聞き間違い』から学ぶ “ きっと大丈夫 ” 講座」
第19回「何故私たちはクリスマスソングを作り、聴くのか」
第20回「TRICERATOPSから学ぶリフで踊ろう！ 講座」
