あの人、どうしてるかなぁと思っていたら、思いがけないところでばったり会うとか、そろそろ連絡しようと思っていたら相手から連絡があるとか、まるで以心伝心、その絶妙のタイミングに驚いた経験はありませんか?


この1、2か月に、そんな偶然が何度もありました。スポーツジムに通っていたころの、もう10数年以上会っていない友だち。元気にしてるかなと思い出していたらメッセージが届いたり、会いたいなぁと思っていた友だちがちょうど目の前から歩いてきたり。そんなある日、今度は最寄り駅で元上司にばったり。上司は私が退職後に就く仕事のことを当時から案じてくれていたので、その話でひとしきり盛り上がり、約1年半ぶりの再会はほんの数分の立ち話だったけれど、何だか腑に落ちたような不思議な感覚がありました。数日後、「よければまた戻ってきませんか?」とのお誘いを受け、嬉しくありがたい反面、本当に甘えてしまっていいのかと少し躊躇してお返事できずにいたら…また会ってしまったのです。まるでドラマのようなシチュエーション。びっくりして笑いが止まらず。温厚な上司の顔を見ていたら、思わず「よろしくお願いします!」と言っていました。間違いなく何かに背中を押されたような気がする、これはもう運命だと。そして、11月から、再び校正などのお仕事をすることになりました。まるで、こうなることが決まってたかのような展開に我ながら驚いています。


復帰の朝、もしかして、社内の人が変わっているんじゃないかとか、忘れられているんじゃないかという不安は、みんなの顔を見て吹き飛びました。「おかえり」と言ってもらえたこと、挨拶するくらいだった他部署の方々からも、「おっ!? 帰ってきたの?」「久しぶり!」って声をかけてもらえたことに涙が出そうでした。元々、上司を筆頭に穏やかで魅力的な方ばかりで、居心地は抜群によかった場所。外に出て、より一層そのことを噛みしめました。いろいろなことに気づけてよかった。ここに至るまでの1年半、今まで経験したことのないような混沌とした日々もあったけど、すべてはここにつながるために必要な時間だったのかもしれません。いい職場だったなぁと思っていたけど、まさか戻る日がくるとは考えたこともなかったから、またこの場所に帰ってくることができて本当によかった。自分を必要としてくれる場所。そのままでいいんだよと、私を認めてくれる場所。私が私らしくいられる場所。そして、ここでは私のSっぷりもいかんなく発揮できそうです。


最近の楽しみと言えば、妹の家にやってきたワンコさん(ウエストハイランド・ホワイトテリア・♂・4月生まれ)。来たばかりのころは儚げな目で“赤ちゃん”って感じだったのに、今は自我がにょきにょきと芽生えてきて自己主張が激しく、目に入るものすべてに興味津々。何でもかじろうとするので目が離せません。遊んで! とまとわりついてきたり、急にテンションが高くなって狭い家の中で追いかけっこさせられたり。時々猛獣というかモンスターというか。カメラ(スマホ)を向けるとモデル犬のようにカメラ目線をしてくるあざといやつ(笑)。自分のことを、可愛いってわかっているんじゃないかなと思うと憎らしいような気もするけれど、幸せを運んできてくれた天使のような、かけがえのない存在です。

 
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そして、楽しみなお知らせが入ってきました。昨年、寺岡呼人さんのソロデビュー25周年企画として誕生した大型新人バンド、カーリングシトーンズ(寺岡呼人さん、奥田民生さん、斉藤和義さん、浜崎貴司さん、YO-KING、トータス松本さん)が11月27日にアルバム『氷上のならず者』を発売、そして12月からは全国ツアーも行うのだそう。昨年9月にZepp Tokyoで行われたデビューライブでは、個性的な6人が真っ白いスーツ姿でステージ一列に並び、新曲を披露する様子が圧巻でした。一流ミュージシャンが、本気で音楽を楽しんでいて、和義さんや民生さんがドラムを叩いたりベースを弾いたり、KINGはブルースハープを吹いたり。自由気ままな50代、まったくまとまらない感じが面白くて、涙が出るくらい笑わせてもらいました。


やはりこれだけの人数がいると自ずと役割が決まるようで、話の中心にいるのは、だいたいがトータス松本さん。関西弁で自由に思ったことを話し、場を盛り上げる。そんなトータスさんをフォローしたりつっこんだりする民生さん。ぽろっとゆるく話に入るKING。それを微笑みながら優しくサポートし進行する呼人さん。浜崎さんは何も話さなくても存在が際立っているし、和義さんはニコニコしながらみんなの会話を聞いている。そもそも、話に入ろうと思っても、みんなの会話のスピードについていけないのだとか。そんな和義さんが大好き。このとき、呼人さんは、このメンバーのグループLINEで、よく既読スルーされ寂しい思いをしていると言い、そんな時、必ず、和義さんだけはスタンプなどを返してくれて嬉しいと明かした。なんて優しいんだろう! 当の本人は、「そうだっけ?」と言い、呼人さんは「そうそう」って。この和義さんの優しさ、さりげなさにきゅんとしたことを思い出しました。また、あの楽しさがまた味わえるのだと思うと、頬がゆるんでしまいます。


今回は、先日公開されたカーリングシトーンズの「涙はふかない」のMVをお届けします。みんな大真面目にやってるんだろうなと思うけど、思わず吹き出してしまうこの映像。きっと誰もが笑顔になること間違いなしです。

 

 
 
 


 
プロフィール用写真shino muramoto●京都市在住。雑誌編集・放送局広報を経て、現在は校正をしたり文章を書いたり。先日、Zepp Osaka Baysideで行われた藤井フミヤさんのライブは、ソロでは初の試みだというライブハウスツアー。ハコの強みを最大限に利用した、魅せて聴かせる、大人のムーディーなかっこいいライブでした。まだ始まったばかりなのにこの完成度の高さ。これからどんな風に熟して化けていくのか、楽しみで仕方ありません。