令和!! はいそんな訳で〜始まりましたGAL Radio、ラジオを聴くように、友人とカフェで会話するように皆さんと音楽についてお話していこうというコンセプトでお送りします。司会進行を務めます高橋 圭です。この連載も今回で12回目、1周年を迎える事が出来ました! 支えて下さるスタッフの皆さんとお読み下さるあなたのおかげです。本当にありがとうございます。


感謝を込め更にあなたと深く濃厚な関係になりたく、私がギターを務めますgood sleepsのアルバムについてお話します。4年も前にリリースされた作品のご紹介は今更感MAXなのですが、元号、時代が変わり真っさらな気持ちで音楽と向き合う為に一度過去を振り返りもう一度前進したいのでやらせてください(強行)! 自宅に招いた友人と卒業アルバムを見返すような少しの照れくささと、クラスメイトの女の子の中で「この子可愛いよね!」と盛り上がるような時間を過ごせたら。(ちなみに高校は男子校の為悶々とした日々を過ごしてました)改めて自己紹介も兼ねお届けします。過去の私を知っても、嫌いにならないでね。。。

 
 

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オススメしたい!のコーナー(手前味噌編)


 
1ジャケット
good sleeps 1st FULL ALBUM『SIGNAL』2015.03.25 Release

iTunes store,Apple Musicにて配信中

 
 
まずはアルバム曲をダイジェストでお聴きください!
 
●good sleeps「SIGNAL」アルバム試聴プレイリスト
 
 
2自己紹介mika
 
3自己紹介kei
 
 
good sleeps(以下:ぐっすり)はボーカル・作詞のmikaとギター・作曲のkeiからなる2人組。2011年結成、都内を中心に活動しこれまでにシングル2枚、アルバム2枚を発表、2016年から現在まで活動休止中のユニットです。
 
 
 
4astrohall
 
 
●コンセプト
 

当時は原宿のASTRO HALLのイベントによく出演していてライブの為に曲を作る日々でした。納得のいく曲が出揃ってきてアルバム制作へと至るのですが、気付けばお気に入りの曲たちは「宇宙」をテーマにしたものが多いことに気付き、mikaがタイトルを「SIGNAL」と名付けました。あなたは夜空を見上げ宇宙と交信するような瞬間ありませんか?星の瞬きがモールス信号のように何かを発信して見え、「シグナルはきっと送られ続けていてそれを受け取る心、想像力みたいなものが夢を見る原動力なんじゃないか」という思いが込められています。


人それぞれがイメージした形を描ける星座と、曲を聴いたリスナーの数だけ何通りもある音楽は似ていて、曲数も12星座にちなんで曲順も1月から12月に当てはまるイメージで並べ音楽で星座を散りばめるように制作は進みました。アルバムのジャケット、歌詞カードのデザインはイラストレーターのSaka Yukoさん。


音楽プロデュース、アレンジ、MIXからマスタリングまでレコーディングの全てを担当してくれたのはスーパーテクニカルミュージシャン、ドラマーのNagara Yuichiくん。当時技術も全然で方向性もとっ散らかっていて右も左も分からないぐっすりのふたりに各楽器の役割、アイディアを提案し、クリアーなサウンドに具現化してくれました。ディレクションも的確で、どの曲も魔法にかけて化けさせてくれました。今作の音楽的要素の骨格は彼の影響によるものです。

 
●全曲解説
 
1.ルーム104
ギターのボディを叩く音をドアのノックに見立て、2本のアコースティックギターが絡み合うオーガニックなアレンジの曲。ラスト半音ずつ下がっていくパートは弾いていて気持ちいいです。ちなみに104号室はmikaが学生時代暮らしていた部屋の番号。
 
5ルーム104ノック
 
 
2.銀河鉄道
mikaが岩手県花巻市を訪れた際、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」からインスピレーションを受け作詞した曲。ぐっすり的キラーチューン。カノン進行でこのメロディが書けたことは個人的に自信になりました。アウトロのドラマチックでスリリングなコード進行はNagara君のアイディア。
 
 
3.Happy Birthday
ぐっすりを結成して初めて出来た曲。私たちの曲作りはメロディを先に作り歌詞を当ててもらういわゆる曲先(きょくせん)ですがこの曲は歌詞が先にあってそこにメロディをつける詞先(しせん)でした。この世に生まれた全ての人が持っているものが誕生日であり、誰しもに当てはまるテーマから音楽を始められたのには何か意味があると思っています。
 
6Happy Birthday
ライブサポートメンバー 左Bass:たなちゅー(よく食べよく寝る)右:Purcussion:みーちゃん(美女)右後方:Nagaraプロデューサー(ひょうきん)

 
 
4.東京散歩
休日は昼間から飲酒しつつ親友のとくちゃんと東京を散歩することが多いんです。レインボーブリッジを歩いて渡ったり、スカイツリーから夢の国まで歩いたり、山手線1周全駅で通行人に写真を撮ってもらいながら歩いたことも。(内回り外回りの計2回、様々な出会いが面白い。翌日全身の筋肉が大爆発を起こします。)
 
7東京散歩
昼間からお酒を飲みながら歩きます

 
 
8東京散歩2
夜になっても芸人魂で乗り切ります

 
 
9東京散歩3
爆発します

 
 
曲の元ネタは上野公園で3分くらいで作りました。歌詞に出てくる「夕焼けだんだん」「かき氷」「電波塔」「藍の着物」などのワードから街を想像するのも面白いかと。東京メトロのCMソングに起用して欲しいというコンセプトで書いた曲第1弾でもあり(第2弾は前回発表「乃木坂で出逢って」)キャッチコピー、キャスティング、ロケ地まで考えた企画書が存在します。箭内道彦さん(東京メトロCMクリエイティブディレクター)ご検討よろしくお願いします(笑)。
 
 
10東京散歩
 
 
11東京散歩
 
 
5.道すがら
Happy Birthdayと対になる曲。私が作詞を担当しています。「自分しか経験していない思い出の一部もどこかの誰かと共有することが出来る」という受け手の捉え方で変化する音楽の素晴らしさを書きたかった曲。普段からそこに存在している景色も大切な人と目撃することで奇跡へと変わることがあるし「不意にもつれて引っ張ったTシャツのくたびれた裾が今日の思い出になる」という歌詞は個人的に上手くかけた1行で、予期せぬハプニングで大切なもの(Tシャツがそのメタファー)が形を変えてしまってもいつかその裾を見た時にその日の悲しみも思い出として蘇る、という人間の心の変化も書きたかったんだと思います。
 
 
6.at home
Aメロとサビがほぼずっと繰り返しのコード進行で展開していく曲。ボーカロイド+アイドルソングにいなた~い感じが足された絶妙なアレンジ。2647年頃にはめっちゃ流行っていることでしょう。歌詞はよく分かりません(笑)。
 
 
7.soramoyo
soramoyoというアパレルブランドを展開している友人に会いに宮古島に行った時に出来た曲。島の綺麗な情景に影響された歌詞。どこかへ行くとインスピレーションが浮かびやすいようです。「水着忘れてきたわ〜」という歌詞がございますが、mikaは実際に島を訪れた最終日、東洋一美しい砂浜と言われている与那覇前浜ビーチにスマホを置き忘れてくるという思い出あり。(iPhoneを探すで見つかり後日無事手元に帰ってくる奇跡)
 
 
12soramoyo1
 
 
14soramoyo3
 
 
13soramoyo2
 
 
8.MY BIBLE
元々はmikaがライブでも歌っていてレコーディングもその予定だったのですが急遽スタジオで私が歌うことになり一発録り。メインボーカルがコーラスを取ってくれる贅沢さ。ジリジリとした灼熱の砂浜に蜃気楼が発生していて朦朧とする中で見た白昼夢のような歌。
 
 
9.祭囃子が聴こえる
舞台は夏の終わり、初秋の京都の鴨川。遠くの方で聞こえる祭囃子に吸い寄せられるように向かう方向に森があり、茂みの奥へと入って行くと何やらぼんやりとした提灯の灯りが灯っている。そこには狐の面を被った着物姿の人々が妖美な鈴を鳴らしている。時代や流行り廃りとは別の場所にある風習、慣習、独特で不気味な雰囲気をイメージして書いた「和」。ボーカル、アコギはせーので一発録りです。間奏の転調部分のハーモニクスフレーズはserendipityのギタリスト東川翼君が奏でています。
 
 
10.もやもや
こちらも一発録り。5分くらいで作りました。歌とギターのみのシンプルな構成でチロルチョコのような小品(しょうひん)的曲。good sleepsの自主レーベルmoyamoya recordsはここから来てます。
 
 
11.星座採集
とある星を探す仕事に全力で取り組んできた一人の科学者が主人公。頑固者で大切な人ですら傷つけながらも年を取り時間だけが過ぎる。遂に彼は星を見つけるが、その頃に大切な人はそばに居ない。大切なものとは?探していたのは星だったのか?それを見せたかったのは誰なのか?本当に光るものは、、、を歌った文学性の高い歌詞。特に気に入っている歌詞です。アルバムテーマにも通じる星座をテーマにしたぐっすり流ロックバラード。Aメロとサビが全く同じコードで構成されていますが、後半展開されていくコード進行はNagara君のアイディア。楽器弾ける方は是非耳コピしてみては?
 
 
15星座採集
 
 
12.good end
アルバムの中で最もロックな曲。魂を注入しまくったmikaのボーカルが聴きどころです。アウトロにギターソロを追加している為、正確にはアルバムバージョン。このソロは一発録りで自分の中のTAKUYAさん、布袋寅泰さん、バンプの藤くんを呼び起こし魂込めました(笑)。
 
 
●まとめ
 
時代や元号が変わったからといって私たちの生活がすぐ劇的に変わるわけではないですが、世界に取り残されたように感じる悲しい夜も音楽を聴いて空を飛んでいるような高揚感に包まれる無敵感も全て自分だけのもので、音楽と自分と宇宙が一つになる瞬間を感じる心だけが音楽を。アルバム、是非一度お聴きいただけたらこの上ない幸せであります。
宜しければご感想もお待ちしております!
 
 
16まとめ
 
 
 

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「ねぇ、できちゃった」のコーナー


 

新曲をお届けするコーナー。今回は「マーチ」です。good sleeps活動中の2013年に書きライブで披露していた曲をリアレンジしました。「march」を辞書で引くと実に様々な意味があります。行進曲、3月、経過、境界線、越える、歩くなど。ひとつの言葉から歌詞を膨らませていきました。なので正直あんまり意味はないです(笑)。人は多かれ少なかれ何かに迷い、悩みながらも選択し続け生きています。これまで迷いながらも進んできて、これからもきっと何も解決しないまま進もうとするんだろうなと思うと迷うことも楽しめたら素敵だったりします。遠回りが一番の近道。自分の性格を端的に表した一曲です。

 
March
2019.05.03
Words,Music & All Instruments,Programming by Kei Takahashi
Character & Art Design:umezawawa
 

 
 
マーチ

夢の中 あぁ 今にもとろけるアイスクリーム
口の中 頬張る 笑わせておくれ ふざけよう
いつも通り もう 何度も心配を繰り返す
冬の終わり そう よじれてく今を眺めてる


やっとの思いで手に入れた虹も
欲しくない いらないよ でも欲しくなる
心の奥に秘めた思いは まだ
悩んでいる 君を 見守っている


おいてけぼり同士 悲しみが形変えていく
君と笑う 時間は すぐに通り過ぎていく


蹄のような靴で足踏みを
いずれ僕ら さよならさ
境界線越えて三月の街を歩こう
だけど君は 迷ってる


踵の擦り減った靴で踊ろう
柔らかい音 重なり合う
始まりはいつだって側でその声を待っている
だけど僕は 迷っている
今も 僕ら 迷っている

 
 
 
 
 


 
FullSizeR-2高橋 圭●1988年5月3日生まれ。2011年から作曲、ギターを務めるgood sleepsのALBUM『SIGNAL』はiTunes store、Apple MUSICにて配信中。Twitter:@zazamino
 
good sleeps
http://good-sleep.jimdo.com/