連載◆高橋圭「Ginger Ale Lover’s Radio」第8回「新春新曲祭」

はい、そんな訳で～始まりましたGAL Radio第8回。
ここではラジオを聴くように、友人とカフェで会話するように音楽について
お話していけたらという場所でございます。ゆっくりしていって下さいね。


まずは新年明けましておめでとうございます。
今年の目標なるものがあるとすれば、「ここでもっと皆さんと繋がっていけて、より音楽で戯れたい！」だな。。。。。と決めたものの、具体的な答えは出ずにもやもや、ぼんやりした思いと一緒に12月を過ごしていました。

 
話は今から少し遡ります。
 

昨年末、SerendipityのChristmas LIVEにゲスト出演しました。
そこで急遽開催した、「お客様からお題を頂き、その場で歌にする」
【高橋の即興曲作りのコーナー】なるものを行いました。
以前からかくし芸として親しい友人にのみ披露していましたが遂にステージでも解禁致しまして。この日は「フレンズ」「初孫」「仏像」という3曲が産まれました。


しかしこれ、一つ問題があるんです。
歌詞とメロディーをその場で1分くらいで考えるので同じ曲は2度と歌えない、その様、綺麗に表現するなら万華鏡の模様のごとし。（だいぶ盛ってます）


まさに瞬間芸ですので、その場で作るというハードルの低さとその場限りの大喜利感がもたらす奇跡によって会場は歓喜の渦（恐らく）に巻き込まれました。
この時の絶賛の嵐（だと思ってる）がもたらしてくれた手応えが心に上手く作用したのか、作曲に対して自信を感じたのでしょう、翌日から5～6曲一気に書き上がりました。


曲が降りてくるとはよく言いますが、降りてくるまで紆余曲折ありまして、
ずっとずっとその事を考えていて、心という名のコップに少しずつ何かが溜まっていき、
アイディアという名の水が表面張力で一杯になった時、ほんの何かのきっかけでこぼれるのが創作だとリリー・フランキーさんが仰ってました。
お通じが良くなったとか尿漏れとも言われたりしますが。。。堰を切ったように曲が産まれています。


そして今はレコーディングの日々を送っています。
ぼんやりしていた音で繋がりたいという思いにかかった靄が晴れた清々しい思いが詰まった新曲たちです。是非今後も楽しみにしていてください。


その中でも群を抜いてハイスピードな勢いで完成した「その高鳴りはあのメロディー」を
12月25日、Youtube good sleepsチャンネルにて発表しました！


曲のイメージイラストを担当してくれたのはイラストレーターのumezawawaさん。
真っ直ぐな眼差しの奥に儚さを感じさせる、めちゃめちゃきゃわいい（可愛い）女の子を見事に描き上げてくれました。レコーディングから発表までがスパークする速さだった為、ご依頼が急ピッチ過ぎたにも関わらずわずか1日で完成させてくれました！凄いです。
赤くなった頬、耳、手の甲、唇、髪型、目線、輪郭、かじかむ感じ、吐息、マフラー。。。その全てが鬼キャワいくないですか？（笑）


大切な人を思う時の心の動きや胸の高鳴り、
どうしたって溢れてしまう気持ちはメロディーに似ている。
そんな思いを込めて書いた曲です。

 
 

 
 
 
 
「その高鳴りはあのメロディー」
 

ひとりぼっちで通りすぎる　イルミネーションの下
仕事帰り　疲れた身体　かろうじて灯す
ムスッとして過ごしてたって頭の片隅
こびり付いて離れない その満面の笑顔


そこら中に転がっていそうな気持ち
拾い集めて渡しても　もはや
光に包まれていくようなそれは
ありふれている


奇跡なんて期待しないで　明日の朝には
積もらない雪を見てそんな風に思ってる
大人になんてなれなくって　時間は過ぎるけど
投げ出す事も出来ない　今夜がクリスマスだろうと


いつまで待っても同じ心を照らす
引きずるような過去は　今も
挫けそうな時に限って現れる
背中押すように


瞳の中まで濁らないように
その胸の鼓動を
高鳴せたいよ　響かせたいよ
震わせる 揺れる この距離を


いつまで経っても同じコードばっか鳴らして
探している　だけど
おんなじ心はいつの間にか宙に浮かんで
稲妻に打たれた


いつまで　だって心で鳴ってしまうのはメロディー
聴かせたい人がいて
ありふれている 溢れている　心の中
融かすのは 君だけ

 
2018.12.25 Music & Words,All Instruments,Programming by Kei Takahashi