夏真っ盛り、いかがお過ごしでしょうか。
フジロック生中継で自宅を苗場にしながら書いています。
今回もかなりボリューミーです。
月に一度ですと皆さんにお話ししたいことがありすぎてついついこんな長くなってしまいます。友達と話す時、ついつい話が逸れて無駄話してしまいますよね。それです。
簡潔に話す方が伝わると分かっていても、なんか他愛もない話で長電話しちゃったね、のあれです。
そんな遠回りも、悪くないですよね!。。。
■YUKI「チャイム」
心に残る曲、それは人生において時に宝物になり、道標にもなる。
今回はまずこの曲についてお話します。
大好きな曲がまたひとつ増えました。
NHK「あさイチ」のテーマソングとなっている今作。
放送ではオープニングとAメロ、長くてBメロくらいしか聞けないことが多いが(笑)
チューブラベルの音色が印象的で、突如配信開始されたりYUKIさんらしいイラストのビジュアル、初のリリックビデオなど、長く所属していた事務所を離れた新体制第一弾にふさわしい爽快な一曲である。
今作の作曲は何度もタッグを組んでいるHALIFANIEさん。
張替智広、小貫早智子の二人からなるユニット
2008年onetrapでクリエイターとしての活動を本格的に開始。
YUKI、JUJU等への楽曲提供の他、それぞれミュージシャンとしての活動も積極的に行うなかで培った経験を活かし、サウンドプロデュースも手掛ける。(onetrap HPより)
彼女たちが作曲するメロディはとても美しい。
YUKIさんへの提供曲ですと「プレゼント」「Hello」「あの娘になりたい」「君を束縛したいのです」「好きってなんだろう、涙」などなど名曲揃いだ。
難しいコードは多く使わずシンプルなコード進行で極上のメロディを乗せてくる。
実はこれはめちゃめちゃ難しいことで、言うなれば塩むすびのような塩加減、卵焼きのような焼き加減のごとく、味付け、塩梅が絶妙なのです。
シンプルだからこそごまかしが効かない、ポップなバランス感覚と隠し味として同じメロディでコード進行を変え展開させるセンス。
今作のメロディも伸びやかで、最後のサビのコード進行を少し変えてエンディングへと向かう展開がとてもいい効果をもたらしてくれている。
YUKIさんの突き抜ける伸びやかな歌声と、夏の入道雲浮かぶ高い青空のような、少し汗ばむ体温、熱量、そういった類を内包した少女性のようなものとの相性がいいんだと思う。
音楽は聴く人の数だけ答えやイメージがあって、形がないからこそ、一つじゃない。
だからこの歌詞はこういう意味だと言い切らないことでイメージが膨らんでいく面白さがある。
YUKIさんの歌詞はストーリー性の高いものの中に暮らしを楽しむヒントというか、大事なことを感じるエッセンスみたいなものが1センテンス忍ばせられていたりする。
特に今作は全ての行に多くのメッセージや意味が含まれていると感じました。
日々の困難を乗り越えてポジティブに生きていくそんな姿勢を歌った歌詞は生活者としての目線、身近なものを大切にする、そんな覚悟にも似た意志を感じます。
マイナスも含んだポジティブなメッセージを極上ポップソングに乗せて哀しみを飲み込み、吹き飛ばし、あらがう、いっそ連れて行く。
いくつかキラーフレーズがあったので引用させて頂きお伝えしたい。
どこにいても私達はひとつで
ひとつだから哀しい時でも一緒なの
元々人間はひとつにはなれない。だからこそひとつになりたいと願うし、ひとつなんだと思える瞬間が人生にはごく稀にある。
どこにいてもということは別々の場所にいても、という意味も含まれ、
やはり一緒にいなくても一緒だよという離れ離れである意味が強く感じ取れる。
過去にYUKIさんは
「WE CAN’T DO IT TOGETHER BECAUSE WE ARE ALREADY ONE」
「私たちは一緒にはいけない、何故なら既にひとつなのだから」
といったメッセージを10周年記念ライブ時にも掲げており、YUKIさんの中でのひとつのテーマとして流れている事が分かる。
ここで言うひとつとは同じ気持ち、一心同体という意味だと仮定する。
藁にも縋る思い
ことわざの使い方が絶妙。藁にも縋る思い史上最もかっこいい言い方である。
つないでる手でも 背中合わせしていても
「愛してる」って聞こえてる 私達 地獄耳
それは言葉として発せられなくとも、手の温もりや背中から伝わる鼓動からも聴きとることが出来る。言葉ではなく身体で感じるもの、それはあなたの体温と存在そのもの。
愛してるという直接的な言葉ではない「心の声」を聴き取るからこそ最初の一行目が指しているものは素直な声ということになる。
そして私たち地獄耳という言葉のチョイスあたりにYUKIさんのユーモアを感じざるを得ません。(←©︎あばれる君)
少しハッとさせられる言葉選びながらそこが曲のメッセージを伝えるワードとして物凄い重要になってくる。
地獄耳を辞書で引くと「一度聞いたことを決して忘れない人」と出る。
相手の様子から口に出さなくとも感じ取る感受性が豊かであり
聴こえてくる、聴こえてしまう、それは傾聴しているからでもあり、
どこかで大切な何かを失ったからこそ幻聴だとしても聴こえてしまうのだ。
嬉しくても涙が出ることを教えてくれた
悲しい時に泣いていた主人公はあなたとの出会いで嬉しさから込み上げてくる涙を経験した。それだけ胸を震わせる瞬間を共有したということ。
「うれしくって抱きあうよ」、「好きってなんだろう…涙」にも通じる
幸せな感情が溢れ出す様をこの1行が語っている。上記二作品を経験した同一の主人公なのだろうか? と言う想像も面白い。
ドキドキがうるさい
ドキドキをうるさいと表現する点、本人も沈められない、本能的、直感的、理性ではなく感覚的な何かが作用していると取れる。
純粋さを取り戻すような、自らの意と反してドキドキが邪魔をしてくる。
しかし胸を震わせていたい。それがタイトルにも繋がっていく。
振り返れば私の道がある 踊るように
今までのことを振り返るとちゃんと自分が生きてきた道がある。それは順調に同じテンポで進んだ時だけではなく、転んだり、横にそれたり。
ぐにゃぐにゃして見えるが、まるで踊るようなステップを踏んでいるようにも見える。そんな捉え方で過去を振り返っている。ハプニングや予期せぬ出来事をアドリブで乗切りユーモアで立ち向かうYUKIさんならではのキラーフレーズ。
くたびれた白いシャツが 呑み込まれる ゴミだらけ
交差点 地面から高くジャンプをすれば
こわくないよ 生まれたての風に乗れ
白いシャツは純粋さのメタファーで、くたびれているのはそれが随分前から存在しておりそれが汚れていってしまう様子。
交差点は無数に広がる未来を表し、どの方向へ向かうべきか判断に迷う場所にいる。
NHKがある渋谷のスクランブル交差点を想像してしまう。だけに。
そして前でも横でも後ろでもなく風に乗るという選択肢、さすがYUKIさんです。
生まれたての風に乗れ、でギュインギュインのギターソロに行く感じも凄すぎます。
ギターソロが完全に風に乗ってるんです。
その風に乗ってあなたに会いに行くんです。
薄く入ってるオルガンは風、ベースのうねりが血液の流れや胸の鼓動、
ドタバタ走るようなドラムも主人公が右往左往しながら凸凹な道を進んでいくよう。
そしてラストサビのコードが下降しているところで空に浮かんでいた私がタケコプターで降りるときみたいにゆっくりと地に足をつける音に聴こえる。(脳内イメージです)
新しいあなたと分かち合いたいわ
裸のまんま聞かせてよ 胸のチャイム 鳴らす モーニング
あなたはそこにいるのかいないのかは分からないが、
新しいあなたと「想い」を分かち合うということは二人が今日を生きているという事実。
その同じ時間を生きる新しい朝に射し込む一筋の光がカーテンを開け柔らかいそれでいて強いひだまりへと変わるような展開。
あなたが誰なのかは明かされないし、恋人だったり友人、家族、親子、仲間、色々なものが当てはまる。
それぞれにとって大切な何かを思い浮かべながら聴くとしっくりくるんだと思う。
あなた=素直な心
と置き換えても意味は通じる。
裸のまんま、それは素直な気持ち、正直に生きて行くことを表していて、
それを見出した時に心で鳴るチャイムに聴こえてくる。
そういった「想像力」こそ愛というメッセージが込められているのではないか。
以前から正直に、素直にというメッセージが多く込められてきたが、自分自身に歌っているのだろうか。新しいことを始めたYUKIさん本人とリスナーの関係性と考える。
ともすれば、「私たち」というフレーズから物凄い勇気を貰える。
聴こえます、地獄耳故に。
個人的には名越 由貴夫さんのギターが炸裂している曲はかなり高確率と言うか100%マジックが起きるので是非多めに聴きたいです。
agehaspringsの玉井さん、百田さん、YUKIさん担当A&Rディレクターさん、マネージャーさんよろしくお願いします(笑)。
年末に開催予定の、新しく開設されたファンクラブ「COSMIC BOX」会員限定ライブにも期待が高まる。
2016年に行われたcommune会員限定ライブでは各地での選曲が神すぎて(一部がアルバム「まばたき」の特典2枚目で聴けます)
新しいことへの挑戦をし続けてきたYUKIさん。
またライブハウスから始めることにロックを感じます。
YUKIさん、相変わらずニクいです!!!
YUKI 「チャイム」Official Lyric Video (Short Version)
■「久しぶりのライブ」
先日、「ハイサワーナイト」というイベントに演奏で参加しました。
友人の会社でハイサワーが500本ほど余ってしまい、
それを無料で提供しようと言うなんともファンキーなイベント。
鎌倉にある10T本社オフィスにて行われた。
今回は後輩の東川翼くんという25歳イケメンフラメンコギタリストとのユニットを結成、
しかし方向性の違いから当日解散が決まっているなんとも刹那的なライブ。(そういうコンセプトで普段はとても仲が良いです)
ここ最近は作曲ばかりしていたのでライブは本当に久しぶりで緊張と楽しさが半々。
イベントは15時から翌朝4時までというこれまたファンキーな時間の中、開演時間が23:30という初のミッドナイトライブ。
ゲストボーカルや飛び入りで会場にいたお客さん通称サウジくんともコラボし素敵な時間となりました。
ハイサワーズ結成&解散ライブ 2018.06.29
SET LIST
1.ハイサワーズのテーマ(ウヰスキーがお好きでしょ)
2.ルーム104 / good sleeps
3.フラメンコ「ブレリアス」(東川ソロ)
4.Don’t Know why / Nora Johnes
5.フラメンコ「アレグリアス」(東川ソロ)
6.渚のバルコニー / 松田聖子
7.真夏の果実 / サザンオールスターズ
8.わたしはあめ / good sleeps
アンコール
9.innocent world / Mr.Children
サウジのサザンオールスターズ大カラオケ大会
10.いとしのエリー
11.TSUNAMI
12.涙のキッス
ハイサワーズ
Vo. & A.Guitar:梅酒サワー圭
Flamenco Guitar:マッコリ翼
Guest Vo.:カルアミルク美樹
Special Vo.:サウジ
■一部界隈で大好評、おススメしたい! のコーナー
夏に聴きたくなる曲。今回はプレイリスト作ってみました。
ドライブしながら、昼下がりにソファでうたた寝しながらお聴きください。
楽しい夏を過ごしている皆さんを想像して。
1.夏の決心 / 大江千里
2.夏色 / ゆず
3.BANG! BANG! バカンス / SMAP
4.プラチナ/ 赤い公園
5.渚 / スピッツ
6.ENDLESS SUMMER NUDE / 真心ブラザーズ
7.サーフライダー / MCU Feat. 浜崎貴司
8.若者のすべて/ フジファブリック
9.深呼吸の必要 / MY LITTLE LOVER
10.少年時代 / 井上陽水
11.ひとつだけ / JUDY AND MARY
p.s.僕の宴会芸は森山直太朗さんの「夏の終わり」を直太朗さんから母・良子さんへと変化していくというモノマネです。素敵な夏を。。。
高橋 圭●1988年5月3日生まれ。2011年から作曲、ギターを務めるgood sleepsのALBUM『SIGNAL』はiTunes store、Apple MUSICにて配信中。Twitter:@zazamino
good sleeps
http://good-sleep.jimdo.com/