2018年も折り返し7月に入りました。こちらを書いている今の最大の関心事と言えば、サッカーワールドカップでしょうか。決勝トーナメントの日本代表の試合が気になるところです。何とか勝って、史上初のベスト8へ進んでほしい。寝不足の日々がまだまだ続くことを願っています。
 
今年前半、思い返すと、アクティブに動きまわったし、仕事でもプライベートでも多くの人に会う機会がありました。また、どんなにささやかなことでも願ったことが叶うという奇跡が続き、その最たるものが転職でした。いつにも増して濃密な時間。現在は、仕事を教わりながら、一日も早く戦力になれるよう奮闘の毎日です。好きなことを仕事にできる喜びと、思うようにいかない歯がゆさ。こういう時に、厳しくも優しい言葉をかけてもらうと沁みますね。人の本当の優しさに触れるたびに、いただいたご恩を返していきたいと思うのです。
 
6月24日に阪神競馬場ではグランプリレース宝塚記念が行われました。優勝したのは、ミッキーロケットと和田竜二騎手。ムードメーカーで明るい和田騎手の涙にもらい泣きした人も多かったのではないでしょうか。和田騎手がG1レースといわれる大舞台を勝ったのは、テイエムオペラオーで勝利して以来17年ぶり。そして、そんなオペラオーが亡くなったのは1か月ほど前のことでした。和田騎手は、大舞台で勝ったらオペラオーに報告に行こうと、それまでは会いにいかないと決めていて、「オペラオーに認められるような一流騎手になることが恩返し」だと語っていたのだといいます。
 
G17勝を誇るオペラオーは、昨年の暮れに引退したキタサンブラックがその記録を塗り替えるまで、歴代最高賞金獲得馬として絶対王者でした。栗毛のおとなしい印象の馬だけど、ゴール板を知っているのかゴール前にぐいっと先頭に立って勝つ。いつも僅差で勝利する姿は、華やかというより、(馬だけど)どこか職人的な勝ち方にも見えました。当時私はオペラオーのライバル馬を応援していたので、その強さ、渋い勝ち方には閉口するしかなかったことを覚えています。引退後、和田騎手がインタビューで、引退式が行われて競馬場を去るときに、オペラオーが震えていたと話していたことがとても印象に残っています。何かオペラオーにも感じるものがあったのかもしれません。
 
17年ぶりだと言われて、ピンと来なかったのはきっと和田騎手がずっと一線でたたかい輝き続けているから。G1レースでは2着が10回。馬の力だけでなく、馬場の状態、位置取り、すべてがかみ合わないと勝つことができないのがG1レースなのです。ミッキーロケットは、春の天皇賞では4着の実力馬。でも、G1馬4頭を含む宝塚記念のメンバーのなかでは伏兵だったミッキーロケットが、香港の年度代表馬をしのいで先頭でゴール。それはとても感極まる瞬間でした。「オペラオーが後押しをしてくれたのだと思います」。そう涙を堪えて話す和田騎手にもらい泣き。今年前半の競馬界は、十何年もの悲願達成の瞬間に何度も立ち会うことができました。それは、彼らが、静かに、ただひたすら積み重ねてきた日々へのご褒美のようなものなのかも知れないと思うのです。それほどまでに、とても美しく神々しい光景でした。
 
 
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おとなしくて人懐こいテイエムオペラオー(2011年夏)

 
 
「恩返し」と同じような言葉で、とても好きな言葉があります。それは、「恩送り」。これは、いただいたご恩を、どなたか別の方に送ることをいうのだそうです。思いがけず、嬉しいと思うことをしていただいたときにはその方にお返しするだけでなく、別の誰かにも幸せのおすそ分けを。そして、その方も別の誰かに送る…。そして、その方もまた…というようにHAPPYの連鎖が繋がるといいなと思います。
 
さて、7月は祇園祭。そして、3月末からスタートしている斉藤和義さんのツアーファイナルです。関東の梅雨明けに続き、全国各地でも…? 今年の夏は、スーパー猛暑になるというウワサもあり、後半もアツくなりそう。どうか、健康で無事に過ごせますように。
 
 
 
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「夏越の祓え」に「水無月」をいただきました

 
 
 
 
 


 
F49CE500-1CD6-4E32-BBCB-69709B5402EBshino muramoto●京都市在住。雑誌編集・放送局広報を経て、現在は校正士、時々物書き。先日、斉藤和義さんのツアー“Toys Blood Music”の大阪公演に行ってきました。急遽、ゲストとしてステージに呼ばれたのはトータス松本さん!さすが地元・大阪。「バンザイ~好きでよかった~」は盛り上がりました。ウルフルズ恒例の〈ヤッサ2018〉は、ギタリストとして真心ブラザーズの桜井秀俊さんが参加されることも決まり、こちらも楽しみです。